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車内の金城学院大学 リバイバル

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2022年度まで実施した名古屋市営地下鉄の広告。学びを、おもしろく、親しみやすいちょっと役に立つ記事です。Kinjo Knowledgeにてリバイバルという形で復活!!
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ようこそ、【車内の金城学院大学 リバイバル】へ!

新しいことを知るって、ワクワクする。 誰かに教えたくなるようなネタが満載。 ものの見方や考え方がひろがった・・・。   そんな嬉しい声をたくさんいただいた、 名古屋市営地下鉄棚上広告『車内の金城学院大学』シリーズ。  金城学院大学での学びを、おもしろく、わかりやすい言葉で紹介するシリーズ広告として2009年 4月にスタートし、2022年3月、好評のうちに13年間で発表した記事は155本にも及び、学内外に大きな反響を呼びました。   【車内の金城学院大学リバイバル】は、

客室乗務員に学ぶ、おもてなしの極意とは?

マニュアルから一歩超えた、気づき、気配り、気働き! 海外旅行や帰郷、出張の行き帰りなど、飛行機の旅は多くの人にとって非日常的な体験。   そんな特別な時間と空間にふさわしいおもてなしで、安全で快適な空の旅をサポートするのが、客室乗務員です。   では、客室乗務員は、いつもどんなことを意識して接客サービスを行っているのでしょうか。   それは、「気づき」「気配り」「気働き」の3つを大切にすること。   まずは、お客さま一人ひとりの表情やしぐさ、会話などから、お客さまがどんな

言語は民族の知の宝庫である。

言語は環境と密接に結びついている。 現在、世界には6000~7000種もの言語があるといわれています。 しかし、その多くは諸地域の先住民族に受け継がれてきた少数言語です。 現在、ほとんどの少数言語は衰退の一途をたどっており、消滅の危機に瀕しているものも少なくありません。50年後には現存する世界の言語の半数が消滅するであろうと予測する言語学者もいます。 では、言語の消滅は私たちに何をもたらすのでしょうか。 たとえば、南米アマゾンの未開の森に住む民族の言語がなくなったと

「声」はその人しか奏でられない、世界でただひとつの楽器。

赤ちゃんの泣き方は歌のお手本? 赤ちゃんは、なぜあんなに小さな体で、長時間大きな鳴き声を出すことができるのでしょうか。 その秘密は、腹式呼吸にあります。   私たち大人は、ふだん胸式呼吸を使っていますが、赤ちゃんは呼吸筋が未発達なため、腹式呼吸しかできません。 腹式呼吸は喉の筋肉を緊張させず、息を安定して吐き続けることができるため、長時間泣いても疲れにくく、声も枯れにくいのです。 実は、この赤ちゃんの呼吸法は、歌にとって理想的な呼吸法で、腹式呼吸を習得すると上半身がリラ

古典と現代が交響する日本の擬人化文化とは?

擬人化のルーツは古代にまでさかのぼる。 動物や武器、国や都道府県、果ては細胞に至るまで、身の回りのあらゆるものや概念をキャラクターにしたゲームやアニメが一大ブームを巻き起こしています。 そのブームの先駆けとも言われているのが、2003年初出の備長炭を擬人化したキャラクター『びんちょうタン』。 その後も、戦艦を美少女に擬人化した『艦隊これくしょん』(2013年初出)、歴史に残る名刀をイケメン男子に擬人化した『刀剣乱舞』(2016年初出)などが立て続けにヒット。 さらに2

通訳と翻訳は異文化コミュニケーションの橋渡し。

言語と文化は、切っても切れない関係にある。  言葉は、それが使われている文化と密接に絡み合っており、ちょうど織物の縦糸と横糸のように、切っても切れない関係にあります。 例えば日本のような「ムラ社会」では、すべてのことを言葉に出さなくても、あうんの呼吸で相手の気持ちや意図を察し合い、コミュニケーションが成立するという文化があります。 日常のさまざまな場面で便利に使われる「どうも」や「よろしく」、「おつかれさま」などは、こうした文化の象徴とも言える言葉ですが、これに該当す

王様はバレエがお好き?

バレエを奨励し、芸術にまで高めたルイ14世。 バレエは、踊りや音楽、美術、衣装、舞台装置などすべてを含めた総合舞台芸術。このバレエをこよなく愛し、自らも華々しく舞台に立った王がいます。 それが、フランス史上最も長く国王の座にあったルイ14世(1638〜1715年/在位1643~1715年)です。 ルイ14世はバレエの名手としても知られ、初舞台は15歳の時。 『夜のバレエ』という演目で太陽神アポロンに扮して踊り、その後も「太陽王」としてのイメージを広く世に知らしめていき

フルートは金属でできているのに木管楽器?

旧石器時代から始まったフルートの歴史。 明るく澄んだ音色と、優美な佇まいが魅力のフルート。   その歴史は管楽器の中でも最も古く、旧石器時代に動物の骨を使って作られた横笛が起源といわれています。 現在のフルートの原型が現れ、広く使われはじめたのは16世紀のルネッサンス時代からになります。   もともとフルートといえばリコーダー(縦笛)のことを指し、バッハの時代 (バロック音楽の時代)まで、現在のフルートの前身である横笛は、「横に構える」という意味で「フラウト・トラヴェル

推理小説は産業革命の申し子!?

難解な謎解き、巧妙なトリック、衝撃の結末・・・ その楽しさ、面白さで、数ある小説ジャンルの中でも不動の人気を誇る推理小説は、ある時代を境に恐怖小説から派生したと言われています。 恐怖小説は18世紀後半、キリスト教的な倫理観、道徳観に対するアンチテーゼとして生まれたもので、古城や寺院などを舞台に起こる不可解な現象や事件は、怨霊や悪魔の仕業として描かれていました。   推理小説は、この恐怖小説から超自然的な要素を削ぎ落としたもので、名探偵が登場し、実に鮮やかに不可解な事件を解

綿花畑で生まれ育った音楽?

ヨーロッパ人の手によってアフリカ大陸から連れ去られ、「貨物」として奴隷船に積み込まれ、北アメリカのヴァージニア植民地に運ばれた20人の人々。 これがアフリカ系アメリカ人(アメリカの黒人)の歴史のはじまりです。 1619年のことでした。   その後、ヨーロッパとアフリカ大陸、南北アメリカ大陸とカリブ海諸島を結んで行われた「三角貿易」で、奴隷とされたアフリカの人々は主要な「交易品」のひとつとなり、「黒人奴隷制度」がアメリカ各州で法制化され、アフリカからたくさんの人が強制的に連