マガジンのカバー画像

「スクリーンの中の私」 女性に響くCinema

33
登場人物や監督、原作者など映画に関わるさまざまな女性の姿。あなたとどこか重なる部分や、違うからこその気づきがあるはず。名古屋の映画館がおすすめする、女性に注目したい映画をご紹介し… もっと読む
運営しているクリエイター

#名古屋シネマテーク

心に残る、忘れられない映画と出会いませんか。

ドラマやドキュメンタリー、アニメーションなどさまざまなジャンルの映画を気軽に楽しむことができる現代。 独自の文化や歴史が色濃く感じられる、世界各国の作品にふれられる機会も少なくありません。 ストーリーがもたらす感動や高揚感、出演者の巧みな演技、好奇心を満たす映像体験など、1本の映画にはさまざまな魅力が詰まっています。     たくさんの映画の中には、楽しめる、感動するといったシンプルな娯楽作品だけでなく、作品に描かれた出来事や人物から何かを感じたり、自分に置き換えて考え

観る者の感情を揺さぶる、人間の内面を見事に捉えたリアルな人物描写

出資者に内容を問われることなく制作者が本当に作りたいものを描く、インディペンデント映画。いわゆる自主制作映画とは異なり、プロフェッショナルな仕事として完成された作品には、時代を超えて観客を引き付ける魅力や熱量があります。 今月、名古屋市内のミニシアターで公開される作品から、〝インディペンデント映画の父〟と称されるジョン・カサヴェテス監督の特集上映企画をご紹介します。   また後半では、7月28日で閉館される名古屋シネマテークさんに、長年大切にされてきたことや、映画館で映画を

生きづらさを感じている女性を救うものとは

家族や友人などたくさんの人と関わっていても、孤独を感じてしまう時があるかもしれません。 そんな思いを乗り越えて前に進むことができるのか、悩みを抱えて心を閉ざしてしまうのか。生きづらさを感じたさまざまな女性の姿を知ることで、その違いを探る手がかりが見つかりそうです。 今月、名古屋市内のミニシアターで公開される作品の中から、女性を主人公にした2本の作品をご紹介します。   ■『私、オルガ・ヘプナロヴァー』追い詰められていく女性を客観的に見つめる 1975年、22歳の若さで

困難を乗り越えようとする若い世代のリアルな姿

4月から新しい環境での生活がスタートした人も多いですよね。思ったようにいかなくて戸惑ったり、悩んでしまったりすることもあるでしょう。そんな時、社会情勢や病気によって困難な状況に置かれながらも、前を向いて進んでいく若い世代の姿に力をもらえるかもしれません。今月、名古屋市内のミニシアターで公開される作品の中から、おすすめの2本をご紹介します。   ■『少年たちの時代革命』今のリアルな香港を切り取った青春群像劇 2019年の香港の民主化デモに参加した若者たちが、抗議自殺しよう

イスラーム社会の多様性にふれて映画で世界が広がる体験を

海外旅行を楽しめない時期が続いたことで、世界の文化や暮らしへの興味や関心が高まっている人も多いかもしれません。 アジアや欧米などに比べると少し距離を感じてしまいがちなイスラーム社会の文化的な一端を知ることができて、身近に感じることにもつながる貴重な映画祭の情報をご紹介します。 ■『イスラーム映画祭8』イスラーム社会のリアルな姿を伝えたい 『イスラーム映画祭8』は、主に中東や北アフリカ、アジアに広がるイスラーム文化圏を舞台にした映画、またはムスリムを中心にそこに暮らす人々を

彼女の人生、あなたにはどう映る?〝人生リトマス試験紙〟みたいな作品

気持ちを入れ替えてスタートした新年、思った通りに進んでいますか? うまくいかないときや壁にぶつかったとき、そのまま進むか方向転換するか、悩むことがありますよね。 思い切った選択をし、さまざまな葛藤を超えて進む映画のヒロインの姿に、自分を投影してみませんか。 ■『ぬけろ、メビウス!!』 24歳から大学を目指す!? 遅咲き青春映画 建築会社の契約社員として働く24歳の優子は、通称〝5年ルール〟によって雇い止めを宣告されてしまいます。 それをきっかけに、かつてあきらめた教員に

リアルなドキュメンタリーと異母姉妹のドラマに引き込まれる

何かと慌ただしい年末を過ごし、少しゆっくりした気持ちでスタートしたい新年。映画館へ足を運んで、じっくりと映画の世界に浸ってみるのはいかがでしょうか。 2023年1月に名古屋市内のミニシアターで公開される作品の中から、おすすめの3本をご紹介します。 ■『チョコレートな人々』 テレビ局の報道部によるドキュメンタリー 最初の作品は東海テレビが手がけたドキュメンタリー『チョコレートな人々』。愛知県豊橋市に本店を構えるチョコレートショップ「久遠チョコレート」で働く多様な人たちと、そ