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本音でぶつかり合う家族に笑って泣けるヒューマンドラマ

マスクを外す場面も増えてきて、ようやく素顔が見えたという間柄もありますよね。今まで見えなかった部分が明らかになることで、好感を抱いたり、ちょっと残念に感じたりすることもあるかもしれません。マスクのあるなしに関わらず、内に秘めた思いは身近な間柄でもなかなか気づけないもの。あらためて向き合うことで、初めて見えてくる真実もあるはずです。


■ 『愛にイナズマ』

©2023「愛にイナズマ」製作委員会

理不尽な社会に反撃する女性と家族の物語

映画監督デビューの夢を理不尽なやり方で奪われた花子。反撃を誓った花子は、運命的に出会った恋人とともに、10年以上音信不通だった家族のもとを訪れます。自分なりの映画を作ろうと父や兄を撮影し始めると、隠れていた本音が見え始めて…。

『愛にイナズマ』は、花子とその家族、恋人の正夫が巻き起こす事態に思わず笑って涙する、痛快なヒューマンドラマです。

作品を上映する、ミッドランドシネマ 名古屋空港の支配人、森さんに見どころを伺いました。
 

©2023「愛にイナズマ」製作委員会

― 予告編を見るだけでも、〝笑いあり、涙あり〟の展開が伝わってきます。

森:この映画では、その宣伝文句は本当に偽りなしです。花子と正夫の出会いのシーンや、家族が茶の間でケンカを始めるシーンなど、爆笑ものですよ。脚本の面白さとそれに魅力を感じて集まったキャストならではの出来だと思います。ちょっとシリアスなシーンにも笑いでオチが付いたりして、緩急のつけ方もうまいんですよね。
 
― 主役の花子は松岡茉優、恋人の正夫は窪田正孝、家族は、佐藤浩市、池松壮亮、若葉竜也ととても贅沢なキャストです。

森:ちょっとした役まで豪華な配役で、奇跡的に勢ぞろいした、と表現されていますね。
  

主人公の脚本制作に透けて見える?監督の思い

©2023「愛にイナズマ」製作委員会

― 主人公は映画監督を目指す女性です。彼女が業界の中で苦労する様子は監督の経験も反映されているんでしょうか。

森:自主映画出身の主人公が「商業映画はこうなんだ」と口出しされたり、セクハラに遭ったりする場面もありますが、映画としてデフォルメして演出されているものではないかと。それよりも、映画づくりの過程の方に監督の思いがあるように感じました。
 
― それはどんな部分ですか?

森:主人公は自分の経験に基づいて家族の物語を描きますが、「こんなセリフは言わない」などと指摘されて、脚本の修正を要求されます。当然彼女は納得がいかないという展開ですが、これはこの作品を撮っている石井監督自身に通じるものがあるのかもしれません。
人間の言動ってすべて理解できて、わかりやすく表現できるものではありませんよね。こんな家族がいるわけない、こんな展開ないだろう…って思い込みで決めつけないでほしい、映画の脚本や演出はもっと見る人にゆだねるように自由でいいんじゃないか?という思いが込められているのかなと感じました。
  

本音が見えない、世相を映したエピソードも

©2023「愛にイナズマ」製作委員会

― 監督のコメントに〝コロナ禍を経験したからこそ作れた映画〟という言葉がありました。

森:舞台はアフターコロナの設定で、マスク越しの会話で本音を言えなくなってしまった、マスクが人の本性を隠している、という状況が感じられます。コロナとは直接関係がないかもしれませんが、世の中の理不尽というか不道徳を描いたエピソードも出てきます。飲食店で近くに座った面々が詐欺グループらしき会話をしているなど、日常で出合っても見て見ぬふりをしてしまいそうな出来事も見られます。
 
― 世相を感じさせるような場面もあるんですね。

森:そういう意味では、今を感じる映画でもあります。大切な作品を奪われたり、運命を感じる出会いがあったり、抱えていた秘密が明らかになったりと、タイトルにある通りイナズマのような衝撃がたびたび訪れます。笑いあり、涙あり、ちょっとシニカルな視点もありで、満足できる作品ですので、ぜひ劇場で楽しんで頂きたいですね。
 

『愛にイナズマ』ミッドランドスクエアシネマミッドランドシネマ 名古屋空港ほかにて、10月27日から上映予定。

『愛にイナズマ』予告編はこちら


ミッドランドスクエアシネマ 劇場情報

名古屋駅前に14スクリーン、全席ソフトレザー張りの2,205席を備える都市型シネマコンプレックス。メジャー作品はもちろん、アートレーベルやアニメレーベルも設けて、コアなファン向けの作品もカバーする。

ミッドランドシネマ 名古屋空港 劇場情報

県営名古屋空港に隣接する、エアポートウォーク名古屋内のシネマコンプレックス。ソフトレザーシートを配した12スクリーンを備え、バラエティに富んだ作品ラインナップとスタッフ手作りのPOPも魅力。

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