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ことばの樹

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文芸作品と金城学院大学のことが大好きな教職員が結成した文芸俱楽部「ことばの樹」。四季折々で表情を変える美しいキャンパスやいきいきとした学生達の雰囲気などを掌編小説で紹介します。
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#息子

ことばの樹

文芸作品と金城学院大学のことが大好きな金城学院大学教職員が集まり、クラブを結成しました。 文芸倶楽部 「ことばの樹」 部員達がオリジナリティ溢れる感性で掌編小説を執筆します。 四季折々で表情を変える美しいキャンパスやいきいきとした学生達の雰囲気など、さまざまな情景が思い浮かぶ作品を紹介します。 部員紹介 加藤 大樹 金城学院大学人間科学部多元心理学科教授。 文芸倶楽部ことばの樹の部長。 アートセラピーや対人関係の研究に取り組んでいる。 学生時代から小説の執筆も続け,

おいのり

元旦の朝。 いつもよりも少し早起きをして、家の前の坂道を下っていく。 三歳の息子は、私と夫の間で、両方の手をそれぞれつないでブランコみたいに揺られてごきげんだ。 吐く息は、わたがしのように真っ白だが、オレンジ色の大きな初日の出は暖かな光を届けてくれる。 息子のダウンジャケットのポケットには、一枚の年賀状が大切に収まっている。何度も消しゴムで消しながら、大晦日に大好きなじいじとばあばのために書いたものだ。 色鉛筆でカラフルに書かれた祖父母の似顔絵に、「ことしもいっぱいあそぼう