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改札を出ると、ひんやりとした秋の空気に包まれる。ついこの前までは半袖でも暑いくらいだったのに、急に季節がひとつスキップしてしまったようで、私の体も木々の葉っぱもまだ秋の訪れについていくことができないでいる。それでも、私は一年の中でこの季節が好きだ。澄んだ空気を吸い込んで、家路を歩いていく。 まぶしいほどのコンビニの灯りの前を通りすぎる時に、幼い頃の情景を思い出す。この場所には、昔は小さな駄菓子屋さんがあった。子どもの頃には、お小遣いの小銭を握りしめて友達と一緒によく買い物に