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甘党女子に緊急指南!ダイエットの大敵・甘~い欲望を突破せよ

街中で目にしたり、コンビニに行ったりすると、つい気になってしまう甘い物。控えたいと思っていても、我慢すればするほどスイーツのコトで頭がいっぱいに…。
お願い、誰か「カロリー」との戦い方を教えて~!とお悩みの女子達、お待たせしました。栄養のエキスパート「管理栄養士」として活躍する、食環境栄養学科の丸山智美教授、清水彩子准教授に、抑えきれない欲望との戦い方を教えていただきました!

食環境栄養学科の丸山智美教授(左)と清水彩子准教授(右)


教えて!思わず飲んじゃうフラッペとの戦い方

☆抹茶やコーヒー系のフラッペに潜む砂糖のワナ

記者:本日はよろしくお願いします。早速ですが、なぜフラッペは高カロリーといわれるのでしょうか?
 
丸山:理由の一つは、トッピングされた生クリームですね。通常のフラッペには生クリームがトッピングされています。そのうえに追加でトッピングすることもありますよね。生クリームの主成分は乳脂肪分。エネルギーとして消費されないと、どんどん脂肪が体についてしまいます。
 
記者:それは恐ろしい…。でも生クリームはトッピングしたいし…。それならフラッペをコーヒーや抹茶など甘みの少ないものにするのはどうでしょう?
 
清水:実は、コーヒーや抹茶など、「苦み」がベースのフラッペこそ注意が必要なんです!
 
記者:ええっ!?抹茶は体にいいイメージすらあったのでビックリ…。
 
清水:抹茶やコーヒー系のフラッペには、苦みを抑えて飲みやすくするために、他の商品よりもたくさんの糖分が含まれているんですよ。
 
丸山:平均的な抹茶フラッペのSサイズは、約270~300kcalであることが多いです。Mサイズの場合、Sサイズの約2倍。
さらに、生クリームなどのトッピングを加えることで、カロリーはどんどん増えてしまいます。糖分が気になるなら、シロップを抜いたり、追加でのトッピングをやめたりすることをおすすめします。

☆高カロリーはみんなで食べれば怖くない!?

記者:季節限定のフラッペはとっても魅力的で…。どうしても飲みたくなったら、どうすればいいでしょうか。
 
丸山:一番いいのは、誰かとシェアすること。Mサイズを2人で分け合えば、摂取エネルギーも半分に。もし1人で飲むならばサイズを小さめにするといいですね。
 
清水:1週間でカロリーの調整ができればいいので、フラッペを飲んだらその日や翌日以降の食事量を減らしたり、脂質の少ないメニューにするのもおすすめ。
 
記者:お店によっては、牛乳を豆乳やオーツミルクに変更してくれる所もありますが、効果はあるのでしょうか?
 
丸山:実はカロリー面でみるとそんなに差はなく、変わっても10kcal前後です。
 
清水:豆乳やオーツミルクに摂りたい栄養素が含まれているという理由があれば、牛乳から変えてもいいかもしれません。
牛乳は現代人に不足しがちなカルシウムを含むので、むしろ健康にメリットも多い飲み物。カロリーを抑えたいという理由だけなら牛乳のままでも問題ありません。


甘い物が食べたくなったら「+栄養素」が決め手!

☆有能戦士・和菓子のヒミツは「食物繊維」

記者:普段の生活でどうしても甘い物が食べたくなったときは、どうすればいいでしょうか。
 
丸山:甘い物を食べることに罪悪感があるなら、栄養としてメリットのあるものを選ぶと、前向きな気持ちで食べられますよね。
 
清水:普段の食生活で不足しがちな栄養素を摂る、と考えるのはどうでしょうか。例えば、カルシウムを摂るために牛乳やヨーグルトが入っている物を選んでみるとか。
 
記者:なるほど!具体的におすすめの甘い物はありますか?
 
清水:洋菓子より和菓子の方がおすすめです。洋菓子の成分は基本的に「脂+糖」ですが、和菓子は「食物繊維+糖」。例えば寒天製品や小豆製品などを使ったものがそうですね。
食物繊維は便秘予防などに効果的。甘い物が食べたくなったら、少しでも体にいいものを選ぶようにすると、罪悪感なく楽しめるのではないでしょうか。


 実は私達の味方!?意外と知らない「カロリー」の真実!

☆そもそも「カロリー」って何?

丸山:一般的には、体重が増えるのも減るのも摂取カロリーが関係していて、カロリーは少ないほうがいいと思われがちですが、実は悪いことだけではないんです。
 
記者:そうなんですか!?てっきり体重が増える根源だと…。
 
丸山:人も機械と同じで、体を動かすための燃料(エネルギー)が必要。そのエネルギーの数値を「カロリー」という単位で表しているのです。
 
記者:ではなぜ、カロリーは「悪」のような捉え方をされるようになったのでしょう?
 
清水:単純に摂取エネルギー(カロリー)を減らせば、体重も減ることが多いからではないでしょうか。人間の体は常にエネルギーが燃えている状態。摂取量を減らせば、今あるエネルギーを燃やして活動を続けるため、体重が減りやすいんです。

☆カロリーを減らすよりも栄養素に注目して

記者:「炭水化物抜きダイエット」や「○○だけ食べるダイエット」が話題になるのも、すぐ結果に表れるからということですね。
 
清水:ただ、こうしたダイエット方法は要注意!基本的に、どの栄養素も人間の体には必要なもので、バランスよく摂るのが大事だからです。
人間が動くためのエネルギーになる栄養素は、「タンパク質」「脂質」「炭水化物」の3つ。そのどれかが不足したり、逆に1つに偏りすぎたりすると、体に悪い影響が表れてしまうことがあります。
 
丸山:「タンパク質」「脂質」「炭水化物」が不足すると、髪がパサパサになる、肌の調子がよくない、爪が割れるなどの原因にも。食事の栄養バランスを意識しないと、健康的で美しい体は維持できません。
 
記者:気をつけないと…!食べ物を買うとき、どうしてもカロリー表示を見てしまいますが、そればかりが大切ではないということですね。
 
丸山:注目すべきなのは「食品成分表示」や「標準栄養成分」。カロリーで示されるエネルギーだけでなく、どんな栄養素がどのようなバランスで含まれているのかを知って買うことが大切です。
 
清水:食品のパッケージやコンビニ、チェーン店の飲食店などの公式サイトでは、食品やメニューに含まれる栄養素の数値が詳しく書かれています。甘い物を食べようか迷ったときは、栄養素の数値をチェックしながら選ぶと、健康的な食べ方に効果的です。

☆甘い物は悪者じゃない!上手に付き合うには?

丸山: 10代は甘い物への欲望はあって当然のものと考えてもいいくらい。
 
記者ええっ!それはなぜでしょう?
 
丸山:人間は本能的にエネルギーを欲します。甘い物、とくに砂糖は、摂取することですぐにエネルギーに変わる食べ物。10代は体の成長にたくさんのエネルギーを必要とします。手っ取り早くエネルギーになるのは甘い物、ということです。もちろん食べすぎは良くないですが、エネルギーとして必要な量は食べたほうがいいんです。
 
清水:ダイエットは健康的な体を目指すのが目的。何かを我慢するよりは、バランスのいい食事や、自分に適した摂取エネルギーを知って、それ以上は摂らないようにするなど、毎日ちょっと意識するだけで体重も抑えられると思いますよ。
 

記者:甘い物だからといって全て我慢しなくていいのは、とても嬉しいです。
 
丸山:甘い物が食べたくなったら、「食べない」ではなく、「どのくらいなら摂っていいのか」とプラスに考えて。食品成分表示をチェックして、他の栄養素とのバランスを工夫すれば、罪悪感を少しは減らすことができるかも。無理せず甘い物を楽しめる方法を、ぜひ試してみてくださいね。
 
記者:ありがとうございます!栄養のことを意識すると、心も明るくなることができるんですね。
 
丸山:おっしゃる通り、栄養は健康以外のことにも関係しています。私達が教えている食環境栄養学科でも、体の構造や食べ物、調理方法、カウンセリング論など様々な分野が学べますが、それは栄養から人の生活を明るく変える方法を知るためといえるでしょう。
 
清水:私達管理栄養士はその人の未来を健康面から支えられる仕事なので、栄養以外の知識も大切。大変なこともありますが、やりがいもたくさんあります。食べることが好きな方や、ちょっと栄養に興味がある方はぜひ一度、栄養を専門的に学んでみてはいかがでしょうか。

取材日:2022年11月11日
編集者:鈴木
記者:広瀬
カメラマン:高木

☆生活環境学部食環境栄養学科

金城学院大学公式サイト




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