#8 自分もいずれなるかも??認知症を取り巻く状況
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総務省の報告によると、日本の総人口(2022年9月15日現在推計)は前年に比べ82万人減少していますが、65歳以上の高齢者人口は3627万人で過去最多となっています。
また、総人口に占める割合は29.1%で、約3人に一人が高齢者という計算になります。
2022年の高齢者の総人口に占める割合を国別に比較すると、日本(29.1%)は世界第一位で超高齢社会ということになります。
また、厚生労働省によると、2021年の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳となっており、長生きする高齢者も多くいます。
そこで気になるのが、認知症です。
では、高齢者における認知症の割合はどれくらいなのでしょうか。
少し前の調査になりますが、内閣府の平成29年版高齢社会白書によると、2012年は認知症高齢者数が462万人と、
65歳以上の高齢者の約7人に一人(有病率15.0%)でしたが、
2025年には約5人に一人になるとの推計をしています。
さらに、認知症の有病率について検討した朝田ら(2011)の研究によれば、
全国有病率推定値が15%、認知症予備群と言われる軽度認知障害は13%となっており、単純に合計すると28%と報告しています。
つまり、3人から4人に一人は認知症または認知症予備群ということになります。
上記の状況を考えると、認知症はだれもがなりうるもので、家族や身近な人が認知症になることなどを含めると多くの人にとって大変身近なものとなってきています。
このような状況に対応するため、政府は「認知症施策推進大綱」を2019年6月に発表しました。
その中では、
つまり、認知症になっても認知症とともに社会で自分らしく生きることを支援する、認知症にならないのではなく認知症になるのを遅らせたり認知症の進行を緩やかにすることを目指していると言えます。
次回以降のnoteでは、認知症の主な疾患であるアルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などについて解説していきます。
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