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“共感”の輪を広げ、社会課題を解決する「ファンドレイザー」とは?

139限目 ファンドレイジング演習
『課題解決のカギを握る「ファンドレイザー」!?』 
人間科学部 コミュニティ福祉学科

2020年10月掲載「車内の金城学院大学」

格差や貧困、子どもの虐待、少子高齢化、介護、地場産業の衰退・・・

現代社会は数多くの課題を抱えており、その解決が求められています。
 
コミュニティ福祉学科では、講義や演習、フィールドワークなど、多様な学びを通してこうした社会の課題に向き合い、解決する力を養っています。
 
なかでも、ユニークな授業として学内外から注目されているのが、

2020年度からスタートした
「ファンドレイジング演習」(2023年度より「ファンドレイジング」)
という授業。
 
認定NPO法人日本ファンドレイジング協会との協働で開講しているもので、講座は全15回。

受講生は、東海地方のNPOや企業などで実際に活動しているファンドレイザーから直接レクチャーを受け、自らの手でファンドレイジング計画を策定する力や、それを実行するための戦略的思考を身につけています。
 
さらに「ファンドレイジング演習」を受講し、単位を取得することで、学生は「准認定ファンドレイザー(日本ファンドレイジング協会が行う資格認定制度において付与する専門資格)」の受験資格を取得することが可能。

大学の授業内でこの資格の受験資格が得られるのは全国初の試みです。
 
 

「課題の現場」と「応援したい人の思い」をつなぐ仕事

 
そもそもファンドレイジングとは、
NPOなどの民間非営利団体が活動するための資金を、個人、法人、政府などから調達する行為の総称で、その役割を担うのが「ファンドレイザー」です。
 
ファンドレイザーは、単にお金を集めるだけではなく、寄付などの支援を募る過程を通じて活動に共感してくれる仲間を増やし、社会をより良くしていくことが求められています。

言ってみれば、ファンドレイザーは、「課題の現場」と「応援したい人の思い」をつなぐ仕事なのです。
  
 

「博物館 明治村」を題材に、アクションプランを作成

 
「ファンドレイジング演習」が開講して3年目の2022年5月、31人の学生が明治期を中心とした近代建築を保存・展示する「博物館 明治村」を舞台にフィールドワークを実施。

明治村の職員や来村者の方々とのコミュニケーションを通して課題に取り組みました。
 
このとき明治村の三好学所長(現名古屋鉄道グループ事業部文化事業担当課長)から提示された課題は、「1回目の寄付につながる接点づくり」を一緒に考えてほしいというもの。

学生たちはフィールドワークでの体験をもとにプランを練り上げ、三好所長ら関係者を学内に迎えて明治村のファンドレイジングアクションプランを発表しました。
 
課題にまっすぐに向き合った学生から提案されたプランに対して、三好所長からは「たくさんの気づきをもらいました」と、嬉しいコメントをいただきました。
 
 

社会課題解決力を養う学びを、これからも

 
内閣府の集計によると、日本のNPOの数は2022年7月末時点で50,586団体。

非営利組織とはいえ、事務所の家賃や通信費、人件費など、事業活動を継続させていくためには資金が必要で、それが大きな課題となっています。
 
さらに、SRI(社会的責任投資) やCSV経営、SDGsが注目を集めるなかにあって、企業とNPOがファンドレイジングを通じて接点を持つ機会も増えていることから、ファンドレイザーに期待される役割は、今後一層大きくなっていきます。
 
本学科では、これからもファンドレイジングの学びをさらに深め、一人ひとりに寄り添いながら他分野・他領域へと越境し、手を携えてともに社会課題の解決を図っていく、そのような人材を社会に送り出していきたいと思っています。
 

一人ひとりの眼差しから世の中の課題を見つめ、しあわせな社会を創造する。
それが人間科学部コミュニティ福祉学科

 


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