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今日は久しぶりに地元の友人と駅前のカフェで待ち合わせて、甘いケーキとコーヒーで心と体に栄養補給をする。実習もあと少し。後半戦をがんばるために、今日は自分を甘やかしてクリームがたっぷりのケーキを頬張る。

「あんた、さっきからずーっとニヤニヤしてるけど、何かいいことあった?」
私に負けず劣らずのボリュームのチョコレートケーキを食べる友人に指摘されて、自分の顔がにやけていることに気づく。
「え、わかっちゃった?」
「そりゃ、それだけわかりやすく嬉しそうにしてたら誰でもわかるよ。それで、何があったか教えてよ」
「えー、でも何だか恥ずかしいからな。どうしようかな」
「観念して報告しなさい」
「実はね」
「うんうん」
「・・・手紙をね、もらっちゃったんだ」
「えー!あんたは恋愛からは最も遠いところにいると思ってたのに。すごいじゃん!」
「えへへ」
「でも、今どき手紙なんて珍しいね。見せてほしいけど、さすがにそれはね。わかった、友人の恋の発展を祈って今日は私がごちそうしてあげる」
「ありがとう!」

お腹いっぱいの帰り道で、かばんからそっと手紙を取り出す。
そこには、覚えたてのひらがなで、一生懸命何度も書き直した文字が並んでいる。
「せんせい だいすきだよ あしたもようちえんで いっぱいあそぼうね」
ケーキもおいしかったけれど、もっと甘くて優しい気持ちで心が満たされる。
手紙をくれた男の子のはにかんだ笑顔が目に浮かぶ。
いつか本当の先生になって、子どもたちの素敵な笑顔をもっとたくさん見たい。
そう気持ちを新たにして、かばんの中に小さな恋文を大切にしまった。

作:加藤大樹