大学受験の平均学習時間はどの程度?偏差値や時期ごとに目安を紹介
「他の受験生は、いったいどのくらい毎日勉強しているのだろう?」
大学受験が近づくにつれ、どれだけ学習時間を確保すればよいのか気になる受験生や親御さんは多いのではないでしょうか。
この記事では、受験生の平均学習時間や、年次によるおすすめの学習時間を解説しています。必要な勉強時間や時間確保のコツも書いてありますので、気になった方はぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね!
■ 受験生の平均学習時間は1.5時間
上記はベネッセ教育総合研究所「第4回 大学生の学習・生活実態調査報告書」による、高校3年次の平日における学習時間を調査した結果です。平均の勉強時間は約1.5時間と少ない印象ですが「1時間以内」が3割、「4時間以上」も3割と、全体に分散している傾向です。
現在では一般受験だけではなくさまざまな受験方法があるため、受験方法によって学習時間に差があるのではとも考えられます。ただし、少しデータは古いのですが、受験直前期は平均で4.5時間となっているというデータも見られます。
高校1年生におすすめの学習時間は1~4時間
こちらも2008年と少し古いデータですが、高校1・2年生の一日の平均学習時間は「1時間7分」となっています。ただしほとんど勉強しないと答えた生徒が約3割と、まだまだ受験への意識は低い時期ではあります。
自主的な勉強にほとんど取り組む人がいない中で、学習の習慣づけをするという意味でも、この時期から平日でも1時間から2時間程度は勉強をするのがおすすめです。休日は少し時間が取れるため、4時間を目標に取り組むとよいでしょう。
【おすすめの勉強時間】
平日:1~2時間
休日:3~4時間
長期休暇(夏休み、冬休み):3~4時間
勉強の習慣化が目的、授業の復習を中心に取り組む
参照元:ベネッセ教育総合研究所「第1回 大学生の学習・生活実態調査報告書 第1章 第1節」
高校2年生におすすめの学習時間は3~6時間
高校2年生になると、そろそろ大学受験を視野に入れる生徒が増えてきます。ただ、本格的な受験対策に取り組む生徒はまだ少ない状況です。
高校3年次に向けて、少しずつ学習時間を伸ばすようにするとよいでしょう。
【おすすめの勉強時間】
平日:3時間
休日:6時間
長期休暇(夏休み、冬休み):6時間
英語や数学の基礎固め、不得意分野の克服に取り組む
高校3年生におすすめの学習時間は5~11時間
いよいよ本番が近づいてきました。難関大を目指す生徒には、起きている時間すべてを勉強に費やすという猛者もでてきます。
受験前の長期休暇は実質夏休みで終わりなので、夏休みが終わるまでに一通り学習し終えるのが理想です。
【おすすめの勉強時間】
平日:5~6時間
休日:11時間
長期休暇(夏休み、冬休み):11時間
受験に必要な科目すべて、過去問など
浪人生におすすめの学習時間は6~12時間
浪人となると、予備校や塾の時間以外は、基本的に空き時間となります。春の段階から出来るだけ詰め込んだ学習で、翌年の受験に備えましょう。
やることは高校3年次とほぼ変わりません。どれだけ繰り返し学習できるかがポイントとなります。
【おすすめの勉強時間】
平日:6時間
休日:12時間
長期休暇(夏休み、冬休み):12時間
受験に必要な科目すべて、過去問など
■ 国立と私立大学による学習時間の違いはある?
国立大学と私立大学の受験での大きな違いは、受験科目の多さです。
国立大学では幅広い学習が求められるため、合格のためには高校3年間で3,000時間以上の自主学習が必要とされています。高校3年次だけでは時間が足りないため、国立大学を目指すには高校1・2年次からの計画的な学習が求められます。
一方で、私立大学では一般的に入試科目が国立大学より少ない傾向です。かといって学習時間が減るかといえば、そうではありません。
私立大学では、学校独自で試験問題を作成するため試験の難易度が高く、出題傾向が学校によって異なります。科目が絞られても深く学習する必要があるため、難関大学では国立大学と同等以上の学習時間の確保が必要となるでしょう。
■ 自分に適した学習時間はどうやって決めればいいの?
受験勉強はとにかく長い時間勉強すればよいわけではなく、あくまで試験合格に向けた効率的な学習が必要とされます。長時間勉強しても疲れて集中できなければ、知識が頭に入らずムダになってしまう可能性も考えられるのです。
自分に合った学習時間を決めるには、まず志望校の合格ラインと自分の実力の開きを知るのが重要です。
模試の結果などを見て、どのくらい勉強すれば合格ラインに届くのかを計算して、受験までの日割りで時間を割り当てます。定期的に模擬試験に挑戦して、結果によってその都度時間を調整しましょう。
無理して勉強して、体調を崩してしまうと元も子もありません。無理のないペースはどの程度なのか、日々の学習で体感していきましょう。
■ 大学に合格するために必要な学習時間の目安
大学といっても、受験問題のレベルはさまざまで定義づけが難しいものです。まずは大学合格レベルに到達することを基準に、学習時間の目安を検討していきます。
偏差値を1あげるには1科目で30~50時間程度かかると言われています。
たとえば、大学合格には現在の成績から偏差値を10上げなければ、合格ラインに到達しないとします。その場合、受験に3科目必要だとして『10×50×3』で、合格するためには最低1,500時間の学習時間が必要です。
これを365日で割ると約4時間となるため、現在の学習時間に毎日4時間プラスして1年間学習すればよいという計算になります。
一般私立大学合格のために必要な学習時間
入試形式が学校推薦型選抜や総合型選抜(AO入試)であれば、学力試験のない受験方法を選べるケースがありますが、通常の入試では学校によって決められた科目の学力試験を課されます。
いずれの大学を受験するに関しても、合格のハードルは決して低くありません。高校3年間で学ぶ基礎の部分を、十分理解しておくことが求められます。
高校3年生までの基礎学力を確実につけたい場合、学校の授業を真面目に受けることに加えて、自宅での自主的な学習も必須となります。
目安としては、受験までの1年間で約4時間以上を毎日、合計で1,500時間以上を受験勉強に充てると合格もきっと近くなるでしょう。
ただしあくまで目安なので、実際にはこの通りになるとは限りません。
難関大学を目指すために必要な学習時間
難関大学の目安としては、受験生の上位約15%と考えればよいでしょう。国公立大学や名前を聞いたことのある私立の難関大学は、おおよそこのレベルと思って間違いありません。
難関大学を目指すには、受験科目の基礎ができているのは前提となります。基礎の部分から始めるとなると、相当な努力が必要となるのは覚悟しておいた方がよいでしょう。
基礎固めレベルからであれば、おおよそ3,000時間の学習時間が目安となるため、1年で追いつこうと思うと相当な努力が必要となります。
高校3年次からの学習では追い付かないと思われる人は、もっと早い段階から受験勉強に取り組むことが必要となるでしょう。
超難関大学を目指すために必要な学習時間
超難関大学の目安は、受験生の上位2%となります。東大や京大、慶應や早稲田などの大学がこのカテゴリーとなります。
ここまでのレベルになると、一朝一夕で勉強しても合格レベルに追い付くのはほぼ不可能です。応用問題も難なく解ける実力が求められるため、高校1年次からの取り組みが必要となるでしょう。
一説では、このレベルに合格するには全体で4,000時間の学習時間が必要といわれています。ざっと計算して、3年間毎日4時間程度の学習が求められるのです。
中にはもっと少ない学習時間でも合格する受験生がいるかもしれませんが、一般的にはこの程度は確実に必要だと心して取り組むようにしましょう。
■ 学習効率の良い受験生の勉強スケジュールを紹介
勉強時間を確保するにも、1日は24時間しかないため限界があります。効率よく学習を進めるためには、毎日続けられるスケジュールを立てるとよいでしょう。
平日におすすめの勉強スケジュール
高校生であれば、平日は基本的に学校の授業があります。予備校や塾に通う浪人生でも同じようなスケジュールとなるでしょう。
それほどまとまった時間は取れないと思われますので、空いた時間をうまく使えるスケジュールとします。詰め込みすぎたスケジュールだと続かない可能性があるため、余裕を持って計画するのが大切です。
取り組む内容としては、朝は頭を働かせるようなもの、夜は時間をかけて取り組む暗記系などと、続ける中で自分に合った内容を見つけていきましょう。
【平日のスケジュール(一例)】
自宅学習時間:6時間
6~7時:起床・学習(計算問題や英語のリスニングなど)
7~8時:朝食・登校(登校中に勉強できるなら英単語の暗記など)
8~17時:学校
17~19時:帰宅、学習(英文法、現代文など)
19~20時:夕食・入浴・休憩
20~23時:学習(世界史、生物など)
23時:就寝
休日におすすめの勉強スケジュール
休日は学校がありませんので、気持ちが緩んでしまいがちです。
だからといってだらだらと過ごしてしまうと、せっかくの休日が有意義に使えません。リズムを崩さないように平日と同じようなスケジュールで過ごすとよいでしょう。
取り組む内容としては、普段学校に行っている時間に平日の学習でわからなかった部分の復習や、遅れている部分を挽回するといったことにあてるのがおすすめです。まとまった時間が取れるので、時間を決めて過去問や模試に取り組むのもよいでしょう。
【休日のスケジュール(一例)】
自宅学習時間:13時間
6~7時:起床・学習(計算問題や英語のリスニングなど)
7~9時:朝食・休憩
9~12時:学習(1週間の復習、英文、英単語など)
12~13時:昼食・休憩
13~19時:学習(過去問、数学など、適宜休憩をとる)
19~20時:夕食・入浴・休憩
20~23時:自宅学習(世界史、生物など)
23時:就寝
■ 勉強が苦手な方におすすめの学習時間を確保するためコツ
「学習時間を増やしたいが時間を確保するのが難しい」と感じている受験生も多いのではないでしょうか。
気持ちが焦ってしまうと、やみくもに時間を確保しようとしてしまいがちですが、時間を確保することが目的になってはいけません。
受験生とはいえ、絶対に削ってはいけない時間があるものです。うまく時間を確保するためには、次の手順で考えるとよいでしょう。
現在一日をどう過ごしているかスケジューリングする
その中で「絶対に削ってはいけない時間」(学校、睡眠、食事)を出す
それ以外の時間を勉強にあてるようにする
こうして作り出した時間を「毎日同じ時間に同じことをする」時間にあてるのが、有効に使うためのポイントです。たとえば、机に向かわないでもできる英単語の暗記など、簡単に続けられる内容の勉強を習慣化するとうまくいくでしょう。
■ 勉強のモチベーションを保つのにおすすめの方法
受験勉強は長丁場になりますので、モチベーションを維持し続けるにはそれなりの対策が必要となります。モチベーションを保つために、たとえば次のような方法を取ってみるとよいのではないでしょうか。
志望校を決め、オープンキャンパスに参加してみる
目標を紙に書いて見えるところに貼る
スケジュールを立てて勉強の進捗がわかるようにする
ライバルを見つける
無理して詰め込まず息抜きの時間を意識的につくる など
モチベーションをあげる方法は人それぞれですが、共通しているのは「自分のモチベーションは自分でしかあげられない」ことです。自分に合った方法を見つけて、無理のないように日々を過ごすのが受験には非常に重要となります。
■ まとめ
大学受験は長丁場となりますので、無理のないスケジュールをたてて毎日継続するのが大切です。
自分の行きたい大学を早めに見つけて、合格するためにはどれだけ勉強しなければならないか、ゴールから逆算して考えることが受験勉強では重要となります。
受験寸前になって無理やり時間を作って詰め込んでも、習慣化していなければ続けるのは簡単ではありません。毎日少しずつでもいいので自宅学習に取り組んでいくのが、結局は受験の成功への近道となるでしょう。