受験生の親がしてはいけない7つのことや子どもの本音を紹介
子どもの受験は、本人にとっても家族にとっても人生を左右するような大きなイベントですよね。
受験生となる子どもに対して、どのように接すればよいか不安に思われる親御さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、受験生の親がしてはいけないことについて、詳しく説明しています。不意にやってしまいがちな内容が多く、耳が痛い親御さんも多いかもしれませんが、やってしまうことで子どもを追い詰めてしまう可能性も考えられます。ぜひ参考にして、自分の行動をチェックしてみてください。
■ 受験生の親がしてはいけない7つのこと
「世界一受けたい授業」という番組内で、以前「受験生の親がやってはいけない7か条」という内容が紹介されました。
番組内で取り上げられた内容以外でも、子どもの手助けになると思った言動が、気付かないうちに子どもの心を傷つけていることが数多くあります。ここでは、とくに受験勉強の妨げになりやすい7つの要素をピックアップして紹介します。
【1】 親の価値観を子どもに押し付ける
親として子どもにアドバイスしたくなるのは理解できますが、親の希望や価値観を押し付けることはやめましょう。
【具体例】
進学先を親が決める
親が希望した学校しか受験させない
特定の就職先しか認めない など
受験するのは親ではなく、子ども自身です。親の決めた学校にしか受験させてもらえないとなると、子どものやる気は失われてしまうでしょう。やりたくないことをいくら押し付けても、そこで力を発揮するのは難しいものです。
いくら親といえども、子どもが進みたいと思っている進路を否定する権利はありません。将来を見据えて自分の意思で進もうとしているのを邪魔せず、最低限のアドバイスのみにとどめるとよいでしょう。
【2】 子どもの受験に関心をもたない
子どもの意思を尊重しようとするあまり、関心を持たないのもよくありません。
【具体例】
どの学校を受験するのか知らない
子どもからの質問に対して真摯に答えず学校や塾に丸投げする
受験勉強している子どもへの配慮がない など
受験に対して不安に思っているときに、一番近くで相談に乗ってあげられるのは親です。子どもがどのような進路に進みたいか相談したいときに、突き放すような言動を取ってしまうと、必要以上に不安をあおる結果となります。
進学にはさまざまな準備が必要となるため、何も知らなかったので準備していないとなると、子どもからの信頼は失われます。いざ受験という段階になって始めて受験校を知る、といったことのないように、普段から関心を持って接するように心がけましょう。
【3】 兄弟姉妹・親戚・友達などと比較する
自分や兄弟姉妹、親戚や友人などと比較するのも、受験生にとってはされると嫌な言動です。
【具体例】
自分が受験した時の自慢話をする
進学先の違う周囲の人を引き合いに出す
受験生の前で他の大学に行った人を必要以上に褒める など
子どものやる気を引き出すために、よかれと思って話に出したとしても、子どもからすればストレスにしかなりません。また他人が受験した学校とは条件や環境が違うため、比較対象にするのもナンセンスだといえます。
子どもは意思をもって進路を決めていますので、他人との比較をしても意味がないと心得ておくのが大切です。
【4】 子どもがプレッシャーに感じるような言動をとる
必要以上に子どもへプレッシャーを与えるのも、受験生への対応としては不適切です。
【具体例】
「失敗は許さない」「不合格なら次はない」といった内容の発言をする
模試の成績を引き合いに出して不安をあおる
「もっと頑張れ」「もっと努力しなさい」といった声掛け など
自分の成績は子ども自身が一番よくわかっており、日々不安や悩みと向き合っています。そこで親からさらにプレッシャーを与えられる言動があると、ストレスに押しつぶされてしまう可能性もあるでしょう。
口出ししたくなるところを少し抑えて、子どもの不安をさらにあおる言動は避けましょう。
【5】 努力や成果を否定する
一生懸命努力して出した成果を、真っ向から否定することはやめましょう。
【具体例】
模試の成績を見て努力が足りないと言う
偏差値の上下で親が一喜一憂する
成績を理由に子どもの言動すべてを否定する など
親から見ればサボっているように見えるかもしれませんが、勉強を頑張っていない受験生はいません。
成績が思うように上がらないのを見ると、焦りから厳しい言動になってしまうのもわかります。しかしながら、そのようなときでも努力を否定するのは、決してしてはいけません。
努力の跡が見える部分はできるだけ認めて、自信を失わないように導くのが親の務めといえるでしょう。
【6】 過干渉・お節介を焼きすぎる
子どもの将来を思うあまり、心配が行き過ぎてしまい過干渉となるケースがよく見られます。
【具体例】
勉強しているかどうか常に確認する
勉強法について何かと口出しする
真偽が不確定な情報を伝える など
子どもが自分のペースで努力しているところ、心配だからと世話を焼きすぎるのは、結果として足を引っ張っていることにもなりかねません。
常に勉強しているかどうか確認されると息抜きもできず、ストレスを増やす結果となります。勉強法は時代によって変わりますし、不確定な情報を伝えられて心を乱されるのも邪魔でしかありません。
子どもの自主性を信じて、必要とされる部分だけ手助けしてあげるようにしましょう。
【7】 空気を読まない
空気を読まない言動も、子どもからすれば迷惑となります。
【具体例】
用事もないのに勉強中に声をかける
休憩時間にも勉強の話題を出す
受験前に不合格になる話をする など
受験が近づくにつれ、子どもはナーバスになっています。そのような状況で空気を読まない言動があると、万が一受験に失敗した際に、子どもから責任を問われる可能性もあります。
周囲が気を使ってあげられると、子どもも自分の力を発揮できたと感じて、悔いなく受験に望めるでしょう。
■ 受験生の親がやるべきではないNG言動一覧
上にあげた7つ以外にも、受験生の親がすべきではない言動があります。
・ お金に関する愚痴を聞かせる
受験や進学には、多額の費用がかかるのは間違いありません。だからと言って、子どもにお金の愚痴を聞かせることはやめましょう。「塾代がかかっているのに」「受験料が高すぎる」といった不満は親の中だけで消化して、子どもには不安を与えないようにするのが大切です。
・ 子どものプライバシーに立ち入る
過干渉ともつながるのですが、子どもがいない隙に机のまわりやかばんの中などを見るのはやめましょう。勉強の進み具合や交友関係など、気になってしまうのは理解できますが、プライバシーは尊重すべきです。
・ 親が必要以上にストレスをためる
子ども以上に親がストレスを溜めてしまうと、子どもも不安になります。また、自分のストレスを子どもにぶつけてしまうのは、ただのストレス発散で何も生みません。
■ 受験生の親に対する本音
受験生になると、普段以上に気持ちが不安定になるものです。子どもがどう考えているか本音の部分を知っておくと、親としてうまく対処できます。
「うざい……」と感じることも多い
受験時はかなりナーバスになっているため、普段は気にならない小さなことでも気に障ってしまうものです。
【子どもが「うざい」と感じた親の言動】
価値観を押し付けられた
他人と比較された
「勉強しろ」と口うるさく言われた
勉強中に話しかけてきた
勉強中なのにテレビを見はじめた など
回答を見てみると「親がしてはいけないこと」の内容とほぼ同じです。してはいけないとされていることなので、子どもからすればうざいと感じられても当然でしょう。
子どもが嫌がるそぶりを見せたことは、望まれている内容ではないため、様子を見つつ対応していくとよいでしょう。
それでも応援されると頑張るモチベーションに繋がる
親からの応援やサポートがあると、子どもにとってはうれしくもあります。
【子どもが「うれしい」と感じた親の言動】
普段と同じように接してくれた
帰宅が遅くてもご飯を用意してくれた
悩みごとをきいてくれた
合格祈願に行ってくれた
体調面に気遣ってくれた など
特別扱いされるわけではなく、必要な部分を陰からサポートされていると感じると、子どものモチベーションアップにつながっています。子どもに対しては、受験前でもできるだけ普段と変わらない態度で接するのが大切だといえるでしょう。
■ 受験生が親に求めていること
受験生が具体的に親にしてもらいたいと考えていることは、次にあげる内容となります。
生活・健康面でのサポート
金銭面でのサポート
息抜きになるようなコミュニケーション
一定以上の自由意志
子どもを信じる態度
生活・健康面でのサポート
生活や健康面のサポートが、受験に挑むにあたっては非常に大切だといえるでしょう。
【具体的な内容】
バランスの良い食事
生活リズムのチェック
勉強のしやすい環境づくり など
受験生は受験当日に至るまで、長丁場で勉強しなければなりません。効率よく勉強し続けるためには、体調管理が非常に重要です。
また勉強中は気が散らないように生活音を抑えるといった、勉強のしやすい環境への配慮も求められるでしょう。
生活や健康のサポートは家族しかできないため、責任を持って取り組むのが大切です。
金銭面でのサポート
金銭面でのサポートも、受験には欠かせません。
【具体例】
受験料や学費の準備
予備校や塾の費用
交通費・通信費 など
進学には学費や交通費、場合によっては下宿代など、非常に大きな費用がかかります。受験前にも予備校や塾、模擬試験やオープンキャンパスなど、さまざまな費用がかかるものです。
用意できる金額に限界はあると思われますが、できる限り子どもの希望に沿ったサポートができるよう準備しておきましょう。
息抜きになるようなコミュニケーション
勉強ばかりでは子どもも息が詰まってしまいます。親から息抜きのできるような提案があるとよいでしょう。
【具体例】
買い物や外食へ連れ出す
さりげなく休憩を促す
夜食を準備する など
受験勉強があるため、受験が終わるまでは旅行などの日数のかかるコミュニケーションは難しいかもしれません。しかし、日常生活の延長の部分で息抜きに誘うのはよい方法です。
たとえば、好きなおやつを準備しておく、一緒にゲームをするなど、ちょっとした息抜きでもモチベーションの維持につなげられるでしょう。
一定以上の自由意志
子どもの意思をできる限り尊重して、余計な口出しは避けるのが大切です。
【具体例】
受験校の相談は乗るが無理強いはしない
予備校や塾へ行きたい場合はできるだけ希望をかなえてあげる
模試や受験についていかない など
親主導でものごとを進めると、子どものやる気がそがれてしまう可能性も考えられます。一個人としてのパーソナリティを認めて、自由な行動を許容するようにしましょう。
子どもを信じる態度
子どもの自主性を信じて、過干渉とならないようにも注意が必要です。
【具体例】
勉強を促す声掛けはしない
プライベートに必要以上踏み込まない
出来るだけ普段と変わらないように過ごす など
心配するあまり過干渉になると、子どもは親に信用されていないと感じてしまうかもしれません。普段とあまり変わらない態度で接し、サポートが必要な際に声掛けできる関係性を築いておくのが重要です。
■ まとめ
子どもの受験は人生の一大イベントともいえる出来事なので、親としても心配になるのはよくわかります。かといって親が前に出すぎたり無関心であったりすると、子どもとの関係性もうまくいかず、受験結果に影響する可能性も考えられます。
受験を通して子どもとよい関係を築き、親も一緒に成長する気持ちで挑むと、受験の成功へとつながるのではないでしょうか。