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女性のストレスからくる症状は?効果的な対処法を解説

女性はホルモンバランスの変動が多く、心や体に異変が起きやすいといわれています。実際にPMS(月経前症候群)や産後、閉経前後の更年期で、イライラしたりやる気が出なくなったりしたことがある方もいるのではないでしょうか。

さらに、日常生活のストレスによって生理前や産後、更年期による症状が強く出て、PMDD(月経前不快気分障害)・産後うつ・更年期うつなどの病気になる方も多いです。

この記事では、ストレスによって女性に起こりやすい症状や病気、対策の方法を解説していきます。
 


■ 女性のストレスからくる症状

程度のちがいはありますが、誰でもストレスは感じるものです。しかし、女性は生理(月経)や妊娠、更年期により、男性よりも心や体の異変が出やすいと言われています。

ここでは、女性に起こりやすいストレスからくる症状を3つに分けて解説します。 

  • 身体の症状

  • 心の症状

  • 行動の症状

ストレスへの耐性も、女性の方が男性より低いことが生物学的にわかっています。ここでご紹介する症状は無自覚に出てくることも多いため、気がついたら早めにストレスケアをしていくことが大切です。 

参考:女性の健康推進室|ヘルスケアラボ
 

身体の症状

女性がストレスを感じると、次のような身体の症状があらわれます。

【女性のストレスからくる身体の症状】

  • 食欲がなくなる・逆に過剰となる

  • 寝つきが悪くなったり朝早くに目が覚めたりする

  • 動悸がする

  • 血圧が高くなる

  • 手や足の裏に汗をかく

  • めまいがする

  • 全身がだるい

  • 生理周期が乱れる・生理が来なくなる

  • PMS(月経前症候群)の症状が悪化する

男女に関係なく、ストレスを感じると自律神経が乱れて身体に異変が出ます。

また、女性はホルモンバランスにも影響が出て生理周期の乱れやPMSの症状悪化をきたしやすいです。正常な生理周期は25~38日のため、ここの範囲からずれると生理不順(月経不順)となります。

PMSでは、胸のはり・食欲増加・下腹部の痛み・頭痛・便秘・むくみ・肩こりといった身体症状を起こします。
このようなPMSの症状は、ストレスを抱えていたり満足のいく睡眠ができていなかったりする女性にあらわれやすいという調査結果もあります。

参考:厚生労働省|「こころの耳」 ストレス軽減ノウハウ〜3 ストレスへの気づき
一般社団法人日本女性心身医学会|「女性の病気について」
東京労災病院治療就労両立支援センター|「働く女性のためのPMSレッスン

  

心の症状

また、女性がストレスを感じると、精神面で次のような症状があらわれます。

【女性のストレスからくる心の症状】

  • イライラする

  • 気分が落ち込む

  • 何もやる気が起きなくなる

上記の症状もストレスを感じれば男女ともに出てきますが、女性はとくに生理前のPMSや出産後のマタニティブルーズ、更年期の症状として多くの人が心の症状を体験します。

通常しばらくすると上記の症状は良くなっていきますが、PMSが重くなったPMDD(月経前不快気分障害)や、産後うつ、更年期うつへと進行することもあるため注意が必要です。

症状の程度が強くて、日常生活に支障がでたり症状が長引いたりしている場合は、早めに医療機関へ受診しましょう。

参考:厚生労働省|「働く女性の心とからだ応援サイト」女性は男性よりうつになりやすい?女性特有のうつ
 

行動の症状

女性がストレスを感じると、心の症状から次のような行動をしてしまうこともあります。

【女性のストレスからくる行動の症状】

  • 怒りっぽくなる

  • 不安で何度も確かめてしまう

  • ミスや物忘れ、遅刻が多い

  • 誰かが自分の悪口を言っているように感じる

  • 涙が止まらない

  • 表情が暗くなる

  • 服装や身だしなみが乱れる

  • 飲酒や喫煙の量が増える

これらの行動は無自覚にしていることも多いです。とくに女性の場合は、ホルモンの影響で怒りっぽくなったり涙もろくなったりします。

いつものような生活ができないときや周りに上記を指摘されることがある場合は、信頼できる人や医療機関などに相談してみましょう。

参考:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所|「知ることからはじめよう こころの情報サイト」こころの病気について理解を深めよう
 

■ 女性のストレスが限界に達したときにでる症状

ストレスが限界へ達し身体と心の症状が悪化すると、次のような症状が起きていつもの生活がままならなくなります。

【女性のストレスが限界に達したときにでる症状】

  • 満足に眠れない日が続く

  • 不安感や憂うつ感が続く

  • 呼吸困難・動悸・手足のしびれがあらわれてしゃがみこむ

  • 集中力や自信が以前より低下する

  • 以前できていたことができなくなる

上記の症状がある場合は、自律神経失調症やうつ病、パニック障害などの可能性があり、医師の診察と適切な治療が必要です。

とくに、呼吸困難・動悸・手足のしびれのような症状は、倒れる前兆であり危険も伴います。

つらい症状は放置せずに、早めに医療機関へ受診しましょう。

参考:新宿区「女性の健康ハンドブック」|女性に多いこころのトラブル
 

■ 女性のストレスが原因で起こる病気

ストレスが限界に達し日常生活が困難になってしまう場合、以下のような病気の診断を受けることがあります。

【女性のストレスが原因で起こる病気一覧】

  • 自律神経失調症

  • 適応障害

  • うつ病(産後うつ、更年期うつなど)

  • パニック障害

  • PMDD(月経前不快気分障害)

 また、ストレスでは上記以外にも、高血圧や胃潰瘍、過敏性腸症候群、糖尿病、アトピー性皮膚炎など、さまざまな身体の病気を引き起こす可能性があります。

中でも、PMDDや産後うつ、更年期うつは女性特有の病気です。

生理前・出産後・更年期は女性ホルモンのバランスが変わりやすく、イライラや悲観的な感情、やる気が出ないといった心の症状が出やすくなります。

そしてこのタイミングにストレスが重なることで、PMDD・産後うつ・更年期うつが引き起こされます。

ストレスの感じ方は人によって異なるため、疲れや不安、つらさがあれば早い段階で周りに相談してサポートを受けることが大切です。この後のストレスチェックとストレス対策についても知っておきましょう。
 

【女性向け】ストレスチェック

以下のチェックリストは、厚生労働省「こころの耳」を参考に作成しています。自分にあてはまることがないか確認してみましょう。


| ストレスチェック |

  1. 自分や家族が病気・怪我などをした

  2. 家族やパートナー、職場の人などとの関係に変化があった

  3. 借金や収入の減少といった金銭問題があった

  4. 昇進や結婚、引っ越しなど大きな出来事があった

  5. 悲しみや憂うつ感がある

  6. 焦りやイライラがあり落ち着かない

  7. 疲れやすくやる気が出ない

  8. 食欲がなくなる・食べ過ぎる

  9. 寝つきが悪く朝早くに目が覚める・寝すぎる

  10. 身だしなみに気を遣わなくなった

  11. 生理周期が乱れがちである

  12. PMS(月経前症候群)の症状が以前より強くなった


嫌なことだけでなく、昇進や結婚のような嬉しい出来事もストレスになります。環境の変化によって、無自覚のうちに心身の症状が出てくることもあるのです。 

ストレスによって 5〜10 のような症状が出始めたら早めに対策をしましょう。自然と治っていくことも多いですが、症状が続くようなら周りの人や医療機関を頼ることも大切です。

このような症状が2週間以上続く場合は、うつ病になっている可能性もあります。 

11〜12 にあてはまる方は婦人科系の病気が隠れていることもあるため、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

参考:厚生労働省|「こころの耳」 ストレス軽減ノウハウ〜3 ストレスへの気づき
 

■ ストレスを感じたら早めの対策を

ストレスは多かれ少なかれ、生活していれば誰もが感じてしまうものです。ですが、ストレスを感じたときに早めに対策を取ることで、心身の症状が出にくくなっていきます。
 
こまめに休養と気分転換をとることが何よりも大切です。つらい状況が続くときは、迷わず専門家を頼りましょう。
 

休養をとる

休養とは、ひたすら休むだけでなく「リラックスできる時間を過ごすこと」と考えてもらうとよいでしょう。

たとえば、短い時間でも以下のような休養ができます。

  • ゆっくりと深呼吸する

  • ぼんやりと景色を見る

  • 湯船につかってのんびりする

  • 疲れがある場合は横になって休む

意識的にリラックスする時間をつくることで、ストレスや緊張から解放してあげましょう。
 

気分転換をする

自分の好きなことや没頭する時間をつくり、気分転換をすることもおすすめです。

以下は気分転換の例です。

  • 趣味に没頭する

  • 好きな音楽を聴く

  • 散歩のような軽い運動やストレッチをする

  • 好きな香りのお香やキャンドルを焚く

  • 気の許せる人と話をする

気分転換をすることでストレスの原因と距離を取れます。
好きなことをする時間を過ごせば、前向きな気持ちになれるでしょう。
気分転換でリフレッシュすることにより、考え方が変わって気持ちが楽になることあります。
 

■ 症状が続く場合は専門家に相談を

今回の記事でご紹介した症状が続くようなら、医療機関で医師や公認心理士などの専門家へ相談することをおすすめします。症状によって相談する専門家を分けると、より専門的なアドバイスや治療を受けられますよ。

自分で医療機関を選べないときには、お近くの保健所・保健センターや精神保健福祉センターへ相談することもできます。

また、ストレスはあるけれど症状はあまり気にならない場合には、カウンセリングサービスを利用して悩みを相談するという方法もあります。医療機関へ行くべきか迷っている方も、まずはカウンセリングを利用してみるとよいでしょう。

厚生労働省が株式会社法研に運営を委託している「働く人のこころの耳相談」(電話・SNS・メール)や、民間企業によるカウンセリングサービスで、つらい状況を相談してみましょう。
 

■ まとめ

生物学的に、女性は男性に比べてストレスへの耐性が低いと言われています。また、生理や出産、更年期でホルモンバランスが変動しやすく、この時期にストレスが重なることで心身にさまざまな症状が出てしまうのです。

ストレスによる身体や心、行動の症状を放っておくと、うつ病やパニック障害、自律神経失調症へ進行し、症状がより深刻になっていきます。悪いできごとだけでなく、一見嬉しい出来事でもストレスになり得るので、こまめに休養と気分転換をしていくことが重要です。

ストレスの感じ方は個人差があります。
「こんなことで悩んでいる私はおかしいのかもしれない」と落ち込む必要はありません。

つらいと感じることが続く場合は、早めに専門家のサポートを受けてみてくださいね。

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