【Kinjo Spirit】 金城学院中学校 北川 美奈子 教諭
この記事は、2024年度金城学院報with Dignity vol.44に掲載された記事です。
北川美奈子先生が、朝の礼拝や聖書の授業を通して生徒たちに伝えたいことは中学生という時期に神様と出会うということは、神様に愛されていること、そして、どんな時にも神様は共にいてくださる、ということを知ること。
生徒たちが神様の愛と恵みを知り、実り豊かな学校生活を送ってほしい。
愛される者として、隣人を愛する者として、これからを歩んでほしい。
そんな願いを込めて、今日も生徒たちと聖書を読み、語り、共に祈ります。
礼拝とは喜びであり、楽しみである。
私はクリスチャンホーム4代目として生まれました。信仰を強制されることはありませんでしたが、母や祖母は自分が礼拝に行くときは必ず子ども達を連れて行きました。私たち子どもは礼拝をする母や祖母の姿を見て、礼拝とは喜びであり、楽しみなのだということを知らず知らずのうちに教えられました。
洗礼を受け、キリスト者となったのは、中学3年生の夏。クラブ活動が終わり、高校受験の準備をする時期を迎え、友達と別々の学校に行くことなどに不安を感じ、洗礼を受けることで神様がどんな時も共にいてくださるのは心強いと思ったのです。
洗礼を受けたことで、その後、様々な出来事があった時にも、イエス様が共にいてくださることに励まされ、歩んでくることができました。また、洗礼を受けたことで、「神学校で聖書のことを学びたい、神様に喜ばれる歩みをしたい」という思いが強くなりました。
今、学校で福音を宣べ伝えるのは、神様のお導き。
私が牧師になることを決めたのは、大学院2年生の秋。それまでは牧師制度のない教会で育っていたために、牧師という選択肢はありませんでした。しかし、大学4年生の時、夏期伝道実習に行った四国の香長伝道圏の牧師たちと出会い、牧師という務めは、神様に仕え、教会に仕える働きであることを教えられ、牧師制度のある日本基督教団に入会。牧師を目指しながら、学校で非常勤講師をすることになりました。
うまく教えられない、教師は向いてないと思いつつ格闘する日々を過ごし、ようやく伝道者となり、教会だけに仕えられるようになった時はほっとしました。その後、最初に赴任した教会を辞すことになり、次に行くまでの1年間、国立教会で協力牧師を務めながら、再び学校で聖書を教える働きが与えられました。最初の時とは違い、学校で教えることの苦手意識が薄れていることに気づきました。そして、3度目にまた講師の機会を与えられた時は、中高生に聖書の御言葉を正しく、しっかりと伝えたいという思いが湧き上がってきました。そんな時に金城学院からお誘いを受け、今の私に与えられている使命であると思ってお引き受けしました。
折しも金城学院に赴任した2021年は、コロナ禍でキリスト教学校の生徒たちを教会に招くことが困難になっていた時。教会で生徒たちを待っていた私に、ただ待つだけでなく、「あなたが行って、福音を宣べ伝えなさい」と言われたと信じて、今、ここで福音を宣べ伝えることに励んでいます。
聖書の御言葉を語り、お話を聞き、共に祈る。
中学生という時期に神様と出会うということは、神様に愛されていること、神様がいつも共におられるということを知ること。たとえ近くに友達や家族がいても孤独を感じたり、自分のことが好きになれないという時があります。そういう気持ちを持ちやすいのが中高時代です。だからこそ、どんな時も神様は私たちを愛し、共にいてくださることを伝え続けることが必要です。また、神様に出会うということは、神様という大きな存在の前に首を垂れることですから、謙遜になり、自分を絶対化しません。それは人として生きていく時にとても大切なことです。また、祈ることを知ることも大切です。中高時代には、礼拝も祈りも、教会に行くことも好きではなかったとしても、人生の中で、行き詰まった時に、教会に行くことができたり、祈ることができることで救われると信じています。
私は本校に赴任してから、「宗教主事は学校に仕える牧師です」と自己紹介してきました。牧師は、福音を語るだけでなく、お話を聞いて、共に祈る者です。まだまだ学校の牧師として十分に役割を果たせていると思えませんが、祈ってほしいと思う時、私のところに遠慮なくきてもらえると嬉しいです。
【教えて先生!My Favorite】
趣味はお菓子づくり。教会で牧師をしている時は「こまちゃ工房」というお菓子屋さんを保健所に登録して、ブラウニーやフルーツケーキを販売していました。今は、アレルギー対策で、乳製品を使わず、豆乳、豆乳バターなどを使うお菓子をよく作ります。シフォンケーキ、スコーンが好評。おはぎなどの和菓子やパンも作ります。
北川美奈子先生の活動アルバム
本校では、春と秋の伝道週間、クリスマスなど、一年を通して様々な宗教行事を行っています。夏のバイブルキャンプでは、今年は生徒たちと共に軽井沢のスマイスハウスに行くことができ、自然の中で神様の恵みを感じる時間を過ごしました。
私が顧問を務めるYWCA部の活動はボランティアが中心。長期休みの時には、名古屋YWCAのスープキッチン(ホームレスの人たちへの配食サービス)のお手伝いに行ったり、生徒会と協力して、滋賀県にある止揚学園との交わりなどをしています。
Q. 北川美奈子 先生ってどんな人?
親しみやすく、まわりを明るくしてくれる先生。
YWCA部の活動では、はじめに聖書の一節を読んでお祈りをしてくれるのですが、すごく心に響くし、聖書のいろんな言葉に触れられるので、私たちにとって大切な時間となっています。ふだんはとってもチャーミングで、生徒からは「北川ちゃん」と呼ばれ、愛されています。部活動が楽しいのも、先生が一人ひとりをちゃんと見て、困っていたら手を差し伸べてくれるから。
感謝しかありません。
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