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自由な発想を生み、心を通わせる 想像力の大切さ

学校とはどんな場所で、先生はどんな役割を果たすべき?
恋人同士はどうやって出会うもの?

私たちの周りには、知らず知らずのうちに常識や当たり前として受け入れたり、決めつけたりしていることがありそうです。想像力を発揮してもっと自由な発想をしてみたら、これまで気付かなかった可能性が見えてくるかもしれません。
 
そんな気付きをもたらしてくれる映画。名古屋市内のミニシアターで今月上映される、2本の作品をご紹介します。


■ 夢みる校長先生

子どもファーストな学校を作る校長先生

© まほろばスタジオ

2021年に公開されて話題を集めたドキュメンタリー映画『夢みる小学校』。この作品のスピンオフ版として、公立学校の校長先生にスポットを当てた『夢みる校長先生』が全国で順次公開中です。
〝子どもファーストな学校改革〟を行う6人のユニークな校長先生を取材し、元文部科学省事務次官の前川喜平氏や、教育評論家の尾木直樹氏など専門家にも話を聞いています。

作品を上映するシネマスコーレの支配人・坪井さんに、映画の見どころを伺いました。
  

© まほろばスタジオ

― 学校ではなく、校長先生を主役にしたドキュメンタリー映画は珍しいのでは?

坪井:そうですね、学校の先生たちのトップである校長先生にスポットを当てているのが、この映画の特徴ですね。ここに出てくるような校長先生に、身近で出会うことは少ないと思います。校則をゼロにしたり、通知表をなくしたり、大胆な改革を行っている校長先生ですから。
 
― 通知表をなくすなんてことが可能なんですね。

坪井:通知表を出すことは公立学校の義務ではなく、各学校で判断して、なくすこともできるみたいです。通知表や宿題があるのは当たり前と思っていましたが、実は日本の教育についてよく知らなかったんだと気づかされました。
 
― 校長先生たちはどういう目的で改革を行っているのでしょうか。

坪井:自分(先生)たちの都合で、子どもをルールに従わせようとするのではなく、あくまで子どもを優先にして考えているようです。この作品で印象に残っているのが、「子どもたちが笑顔で学校に来て、家に帰ったときに〝今日、学校楽しかった〟と言える学校に」という校長先生の言葉です。ここで紹介される学校は特別に見えるかもしれないけれど、改革を実践するかしないか、それだけの違いかもしれないと感じました。
  

映画としての楽しさを増している要素も

© まほろばスタジオ

― 校長先生が主役の映画ですから、真面目で硬い内容でしょうか。

坪井:それがそうでもなくて、校長先生たちのキャラクターがとてもユニークで、見ていて面白いんです。たとえば、校則をなくす校長先生は、考え方がまるでロックかパンクのようなイメージですよ。
 
― ナレーションは小泉今日子さんですね。

坪井:小泉さんのナレーションの力は大きいと思います。私たちになじみのある声でやわらかい雰囲気になっていますし、観客が疑問に思っていることをナレーションでうまく聞きとって、解消してくれています。
 

『夢みる校長先生』シネマスコーレにて、10月21日から上映予定。

『夢みる校長先生』の予告編はこちら

 

■ こいびとのみつけかた

ちょっと風変わりな二人のメロドラマ

©JOKER FILMS INC.

世の中に馴染めない変わり者のトワと園子。他の人とは違ったやり方で言葉を交わすようになり、仲を深めていきます。二人にしかわからない世界、二人にしか分からなくていい関係を作り出すラブストーリーの行く先は ー。
『こいびとのみつけかた』は、成田凌と清原果耶が主演した『まともじゃないのは君も一緒』に続く、〝おかしな二人の物語〟です。
 

― 個性的な男女の物語のようですが、監督は〝メロドラマ〟と表現されていますね。

坪井:そうですね、私たちが普通に思い描くラブストーリーとはちょっと違います。世間から少しずれているように見える二人が主人公ですが、それは悪いずれ方ではなくて、二人にとってはとても幸せに映っている。それが、監督の前田さんが言うところのメロドラマなのかなと思いました。
 

©JOKER FILMS INC.

― 二人の出会いは、トワが道に転々と置いた葉っぱをたどって…。まるで、おとぎ話のようです。

坪井:とても個性的なキャラクターですよね。こんな風変りの二人はどうなっていくのか。想像もつかないことが起きて、予想外のラストへ向かっていく。ラブストーリーをよく見る人でも、こんな物語があるんだ!と、驚くのではないでしょうか。
 

監督、脚本、キャストの息が合った作品

©JOKER FILMS INC.

― 前作で主演だった成田凌さんも出演しています。

坪井:ゲスト出演程度だと思いましたがなかなかいい役で、前田監督の作品の面白さを味わいながら、しっかりとこの作品の住人として馴染んでいるようでした。
 
― ほのぼのとしたファンタジー、だけでは終わらないのでしょうか。

坪井:変わり者とはいえ現実に生きている二人なので、やっぱり現実を見なくちゃいけない。現実を突きつけられるような展開もありますが、見終わってみると、タイトル通りだなと納得がいくので、ぜひ最後まで楽しんでほしいです。
 
いい脚本と演出、変わり者の主人公にぴったりはまっている主演の二人、そしてその周りで普通の人を絶妙に演じているキャスト…、すべてがうまくいって完成された作品だと感じています。
  

『こいびとのみつけかた』シネマスコーレにて、10月28日から上映予定。

『こいびとのみつけかた』の予告編はこちら

  

シネマスコーレ劇場情報

シネマスコーレ
映画監督の若松孝二氏が1983年に立ち上げた、名古屋駅西口にあるミニシアター。2023年に開館40周年を迎えた。アジア映画、日本映画、インディーズ作品などを中心とした多彩なプログラムに加えて、作品を盛り上げるイベントにも力を入れている。


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