大学生の“リアル”な留学事情とは?専門スタッフと経験者に、本当のところを聞いてみた!
外国に興味があり「大学に入ったら留学したい!」と思っている人も多いのでは。ただ、より具体的に知ろうと思っても、ネットで一般的な情報を調べるといった方法はありますが、身近に留学した人がいなくて、「実際に留学ってどうなの?」と思っているのではないでしょうか。
そこで今回は、大学で留学を支援している専門スタッフの方と、留学経験のある大学生に、「大学生の“リアル”な留学事情」を語っていただきます。楽しかったこと、大変だったこと、お金の話や、プチトラブルについてなどなど、留学のリアルをのぞいてみよう!
留学の最初の関門!?「お金」問題のリアル!
☆学費だけで450万円の場合も…それ、減らす方法はある?
記者:留学に行きたい気持ちはあっても、費用が心配という方がいると思います。リアルなところ、留学費用は、どのくらいなのでしょうか。
小口:いきなり突っ込んだ話題からですね! でもたしかに、私が国際交流センターで、留学をサポートしている学生さんからも質問がでます。これは、期間や行き先によっても異なる、というのが回答ですが、例を挙げますね。人気が高いアメリカの西海岸エリアだと、1年間の学費だけで450万円になることも。一方で、皆さん意外!と言うのがヨーロッパ。フランスだと170万円くらいの学校もあるんですよ。
記者:留学先によってそんなに違うんですね! ちなみに、その学費の負担を少しでも軽くする方法とかあるのでしょうか…。
小口:実は留学先大学の学費が免除になる「交換留学」という制度があるんですよね。金城学院大学の場合だと、国際交流協定校というものが世界11カ国・地域に27校あって、これらの協定校に交換留学プログラムで行けば、留学先大学の学費は不要です。また、大学から最大50万円の奨学金が給付される制度を利用すれば、結果的に学費の負担を減らすことになります。このようなサポートを利用したり、「行き先」や「期間」を工夫したりすれば、留学費用を抑えられますよ。
記者:初めは金額に驚きましたが、少し安心してきました。その他にも、何か方法はあるのでしょうか。
小口:費用を抑えるという意味では、タイの大学で英語を学ぶという方法もあります。英語圏以外では、例えば韓国であれば学費が100万円以下の大学もありますね。また、3~4週間の海外語学研修であれば費用は40~75万円ほどです。ちょっとしたアピールですが、このようなお金や奨学金を含めた様々な留学の相談にのるのが、国際交流センター職員の役割なんです!
語学力アップ以外にも、目的がある?
☆留学の先にある夢を叶えるため!
記者:ここからは、留学の内容についてもお聞きしたいと思います。若松さんは、実際に語学学校と大学に1年間留学をされていますが、そもそも留学をしたいと思ったのはなぜですか。
若松:最初の目的は語学力向上のためでした。高校時代から留学への憧れもあったので、入学してすぐ、国際交流センターの方に相談しました。センターの方とお話しすると、語学力アップだけではなく、将来の夢に近づくことを目的とした留学があることを知ったんです。そこで私が目指す仕事に役立つ学びがある大学へ留学できるように、1年生の9月頃に留学選考に出願しました。
小口:実際に留学するまでには時間がかかりますから、できれば行きたいタイミングの半年くらい前から準備を始めた方がいいですね。やはり留学先の大学をじっくり選んだり、語学要件を満たしたりするためには、時間と努力が必要です。
若松:私は2年生になる直前の春休みに出発しました。留学先は、将来目指す仕事に役立つホスピタリティに関する授業が多くある大学です。航空業界やホテル業界といった、ホスピタリティが求められる業種に興味がある学生にオススメの学校ということで選びました。
小口: きっかけはホスピタリティを学びたい、K-POPが好きだから韓国語で歌詞を理解できるようになりたいなど様々です。そして、実際現地でボランティアに参加したり、ダンスやチアリーダーのサークルに参加したりと皆さん語学以外のいろいろなことに挑戦しています。
若松:私が留学先で出会った人達も、ハリウッドで映画産業を目指すとか、アメリカでビジネスをしたいとか、世界中を巡りたいからまずは多くの国から人が集まるアメリカを選んだ、というように様々でした。留学生達の目的を聞くだけでも、世界の広さというか、考え方の違いを感じて、それも留学で得られた学びでした。
実際にあった、リアル留学エピソード
☆「楽しい」も「苦しい」も、良い思い出!?
記者:留学で得られたこと、という話が出ましたが、実際に長期留学された先輩として、留学先でのリアルなお話を聞かせてください。
若松:語学学校の時はホームステイでしたが、大学に移ってからは、学生寮の部屋を外国人を含めて4人でルームシェアしていました。最初のルームメイトは日本人・アメリカ人・インドネシア人。その後、香港の人とかハワイの人とか、とにかく入れ替わりが激しくて。ただ、その分いろいろな人と話すことができましたし、外国人とのコミュニケーションのコツをつかめたように思います。
記者:いろいろな人と接するだけでも経験になりそうですが、さらに外国の人ばかりで。学生寮でのエピソードはありますか?
若松:共同生活でしたので、プチトラブルみたいなものはたくさんありました。寮に卓球台があって深夜なのに盛り上がっているとか、共有の流し台に洗い物が出しっぱなしとか…。価値観の違いを感じました。ただ、いま思うとそこでお互い話し合って、ルールを決めて、という過程で実は英語力も磨かれますし、これぞ異文化交流という感じで、海外の人とのコミュニケーション能力も身についていくんだと思います。
小口:留学生どうしの関わりのなかで得られることも多いですよね。仲良くなるという点でも、やはりお互い文化が異なることを認め合うことが必要ですから、その繰り返しで、異文化交流の肌感覚というものが磨かれると思います。
若松:学びのエピソードでは、宿題が大変でしたね…。日本の宿題って、来週のその授業で提出、ということが多いと思いますが、私の行った大学は、その週の全ての宿題が日曜日までに提出で。だいたい月曜日から木曜日が授業で、金曜日は部屋にこもりっきりで宿題をしていました。でもみんな同じタイミングで宿題をするので、同じ寮の子と教え合うこともあって。伝える難しさを感じることも多かったですが、英語を使う機会が増えたと捉えれば、苦しかったですけど良い面もありました。
記者:寮生活というのは、いろいろな交流といいますか、関わり方があるんですね。
若松:ルームメイトとはご飯を作り合って、毎日一緒に食べていました。私がいた学生寮は100人くらいの規模だったので、「今日は○○さんの誕生日パーティー」とか「新しく入寮した子の歓迎会」とか。学校や趣味のこと、恋愛や、将来について語り合ったり。学校以外での出会いが多いのは、ホームステイとの違いかもしれませんね。
留学で得られた、人生の宝物とは
☆コミュニケーションから生まれた、価値観の変化
記者:ここまでいろいろお話を聞いてきましたが、留学して良かったと思えることは、結局のところ何でしょうか?
若松:私が一番良かったと思うのは、海外のスタンダードを肌で感じられたことです。日本では、自分の意見を言わず、相手に合わせることが多くあります。でもそれは海外ではスタンダードではないんですよね。小さいことだと「今日は○○が食べたい」「その服よりこっちの方が似合っている」といったことから、「夢を叶えるための努力が足りないと思う」といったことまで、自分が思うことを、相手に忖度無しで言うことが、本当に相手のことを考えている、として捉えられます。
記者:それは大きな気づきですね。留学にかかる費用と、得られることを天秤にかけると、留学って実際のところ、費用以上に価値のあることだと思いますか?
若松:私は行って良かったと迷いなく言えます。自分を変えるきっかけになって、それが将来に必ずつながると思っています。学びたい知識も得られましたし、留学中に出会った人とはSNSを交換していて。今はなかなか会えませんが、いつか友達のいる国に会いに行きたいなと。こういう人との出会いって、宝物だなって思います。
小口:日本にいても学べること、経験できることはたくさんあります。ただ、海外での経験は、きっと人生のプラスになる。帰国後の学生達の変化を見ると、そう思います。そのためにも、留学自体を目的とするのではなく、何かの夢を叶えるために、留学という選択肢がある。という気持ちで、留学について考えてほしいと思います。
若松:知識として知っておくのと、肌で感じたことでは、やはり違うと思っています。私は将来、世界中の人と関わっていきたい。大学時代に海外留学できたことは、就職活動にも、社会人になってからも、絶対に生きる経験だと思います! 少しでも留学を考えている人は、大学入学後にぜひ留学してほしいですね。
取材日:2023年10月4日
編集者:鈴木
記者:武富
カメラマン:高木
☆国際交流センター
☆金城学院大学公式サイト