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女性が一生涯のうち、うつ病になるのは何人ぐらいだと思いますか? サドック (Sadock) らによると、 と言われています。 女性が多い原因として、ホルモンの違い、出産の影響、更年期の影響、女性と男性の心理社会的ストレスの違いなどがあげられています。 うつ病の平均発病年齢は40歳ぐらいと言われていますが、患者の50%は20〜50歳に発病するとされているので、どの年齢でも発病する可能性があると言えます。 なお、最近のデータでは20歳以下でうつ病が増加していると示されて
前回の記事 うつ病の症状というと、気持ちが沈む、悲しくなる、といった気分を思い起こす方も多いと思います。 うつ病と診断するときには、多くの場合、診断基準に基づいて診断されます。 診断基準で多く用いられているのが、DSM-5です。 DSM-5はAmerican Psychiatric Association (アメリカ精神医学会) が策定したものを、日本精神神経学会が日本語版を監修して出版しています。 その他の診断基準としては、世界保健機関 (WHO) の国際疾病分類
前回の記事 本マガジンの#1で、女性のうつ病の原因の1つとして更年期の影響があると書きました。 更年期と言われる時期は、発達心理学で言うと中年期にあたります。 中年期という区分は成人期の一部とされていて、おおよそ45歳から60歳ぐらいを指します (Levinson, 1978) 。 では、中年期とは、一体どのような時期なのでしょうか。 以前、中年期は人生でも安定した時期と言われていたのですが、1970年代から「中年期危機」が注目されるようになりました。 岡本(20
前回の記事 前回の記事で、中年期危機の原因として”身体の変化”と”職業における変化”について解説しました。 その中で、3つ目の原因としてあげたのが”家族における変化”です。 今回のコラムでは、中年期における家族の変化とその変化が女性のこころに与える影響について解説します。 まず、親の喪失です。 中年期になると、自身の親や配偶者の親の身体状況が悪化したり、認知症を発症したりするという状況が生まれます(認知症については、後日のコラムで詳説します)。 家族の介護をするこ
前回の記事 美味しく食事ができる!! これは、身体が元気で健康な証拠ですね。 ただ、ちょっと体重のことも気になり、時々ダイエットに励んでみるという女性も多いのではないでしょうか。 適度なダイエットは、生活習慣病の予防にもいいですし、健康を保つためにも良いのかもしれません。 ところが、食事をすること(専門用語で「摂食」と言います)と、自らが行う体重コントロールのバランスが崩れ、生命の危険にさらされる病があります。 これらを総称して「摂食障害」と言います。 なお、摂
前回の記事 今回のnoteは、前回に引き続き、摂食障害についてです。 今回は、摂食障害に含まれる「神経性やせ症」や「神経性過食症」について解説します。 「神経性やせ症」の特徴は、やせ願望がとても強く肥満に対する恐怖が大きいことです。 食事制限をしたり過剰な運動をしたりして、痩せている自分を保とうとします。 痩せても痩せても満足することができず、もっと体重を減らしたいと思っています。 「神経性やせ症」は、「制限型」と「過食・排出型」に分けられていて、 「制限型」では
前回の記事 電車の中で息切れがする、飛行機に乗って飛行中は機内から出られないと思うとなんだか心臓がバクバクして不安になる。 こんな経験をされた方もいるのではないでしょうか。 これがもっと重篤になって、理由もなく息ができない、汗が止まらない、吐き気がする、胸が苦しい、手足が震えるといった発作が起こり、生活に支障が出る障害を「パニック障害」と言います。 このような症状が出て、病院で検査を繰り返してもどこにも異常が見つからない場合、「パニック障害」とされることがあります。
前回の記事 前回の記事では、アルツハイマー病について解説しました。 認知症の原因としては、アルツハイマー病が最も有名ですが、その他にも色々な認知症の原因疾患があり、それぞれ症状が違うことをご存知でしょうか。 最近、注目を集めているのが「レビー小体型認知症」です。 レビー小体型認知症とは? レビー小体型認知症は、認知症の原因となる脳の変性疾患としてはアルツハイマー病についで多い病気です。 レビー小体型認知症の特徴の一つ目は、認知機能の変動です。 認知機能の変動