自分の卒業を追体験しながら応援したい気持ちになる成長物語
日差しのあたたかさに少しずつ春の気配を感じる季節。
卒業や春からの新生活を意識して準備を始める頃かもしれませんね。
これから人生の転機を迎える人も、学生時代が遠い思い出になった人も、学校生活や卒業という節目に思いをはせることができる青春映画をご紹介します。
■『少女は卒業しない』
映像化作品も多い朝井リョウの短編小説が原作
『少女は卒業しない』は、『桐島、部活やめるってよ』『何者』などで知られる直木賞作家・朝井リョウ原作の連作短編小説を映画化した作品です。
廃校が決まり、校舎の取り壊しを控えた、とある地方の高校の最後の卒業式までの2日間。それぞれに想いを秘めた4人の少女の心の機微を繊細に描き出した作品です。
作品を上映するミッドランドシネマ 名古屋空港の支配人、森さんに見どころを伺いました。
― 朝井リョウ作品に多い、青春映画ですね。
森:そうですね、『桐島、部活やめるってよ』に近い群像劇のような作品です。4人の少女の話がそれぞれのパートに分かれていて、微妙に絡み合ったり、最後につながったりという展開で、そうだったんだ!という驚きもありますよ。
― 少女たちの恋愛が中心ですか?
森:それだけではないですね。卒業という避けることのできない別れに対して、彼女たちが自分の気持ちとどう折り合いをつけるか、どうやって次のステップに進んでいくかという成長の物語かなと思います。
― 同年代の若者だけでなく大人も楽しめる内容でしょうか?
森:自分を投影したり、過去を振り返ったりしながら見られると思います。卒業式の様子には今と昔の違いも感じられるので、それを確かめるのも楽しいのではないでしょうか。
コロナ禍と卒業の時期が重なった時には、卒業式がなかった人たちもいますよね。誰にでもある当たり前の経験ではなくなったのかもしれず、その人たちはどんな風にこの映画を見るのかなと思ったりもしますね。
物語をよりリアルに感じさせるロケーション
- 廃校になる高校、卒業式までの2日間という設定も気になりますね。
森:卒業するだけでなく、学校自体がなくなってしまうので、もう戻れないという切なさがより強くなるかもしれません。2日間に限定されることで、卒業式まであと2日しかない!という切迫感もあります。見ている側も、どうするんだろう…とドキドキしてきますね。
- キラキラし過ぎていない、ナチュラルな雰囲気の映像ですね。
森:実際に廃校になる予定か、廃校になったかという学校で撮影したらしく、セットでは出せない味がありますよね。桜が満開のシーンがあるんですが、それもCGではなく、実際に桜の時期を待って撮影されたそうですよ。
- このタイトルにはどんな意味が込められていると感じますか?
森:いやおうなく卒業させられることへの反骨心を込めたメッセージと、どこかで読んだ気がします。劇中に「卒業したくない」とか「卒業式なんてなければ一緒にいられるのに」といったセリフは出てきますが、みんな卒業して次へ進んでいきます。勝手に決められてしまう卒業の時期に対する逆説的な表現なのかなと感じました。
今後にも期待して応援したくなる監督と俳優陣
- 監督・脚本の中川駿はこれが商業長編映画デビュー作ですね。
森:『カランコエの花』という短編映画が国内映画祭で13冠を受賞して、話題になりました。いい作品だなと印象に残っていて、その監督の新作だと聞いたのでぜひ上映したいと思いました。
- 期待の若手俳優もそろっています。
森:昨年、出演作が多く公開された河合優実が主人公です。いろいろな監督の作品に出ていて、印象に残る役を演じていることも多いので、彼女が出ているなら期待できる映画かもと思わせる存在です。他にも、映画やドラマで活躍する窪塚愛流、小野莉奈など今後も注目したい俳優が多く出演しています。映画の内容も含めて、応援したいなという気持ちになる作品ですので、ぜひ劇場でご覧ください。
『少女は卒業しない』の予告編はこちら
ミッドランドスクエア シネマ 劇場情報
名古屋駅前に14スクリーン、全席ソフトレザー張りの2,205席を備える都市型シネマコンプレックス。メジャー作品はもちろん、アートレーベルやアニメレーベルも設けて、コアなファン向けの作品もカバーする。
ミッドランドシネマ 名古屋空港 劇場情報
県営名古屋空港に隣接する、エアポートウォーク名古屋内のシネマコンプレックス。ソフトレザーシートを配した12スクリーンを備え、超立体映像デジタル3Dシネマを導入するなど抜群の映画鑑賞環境が魅力。
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