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気持ちをハッピーにしてくれる、飾っても素敵な「花の本」

道端に見つけた小さな花や、フラワーショップに並べられた花に、ふと心が動くことはありませんか。気温が高くなり初夏の気配も感じる5月は、サツキにバラなどさまざまな花が開く季節です。新生活の疲れを感じやすいこの時期に、花の本に癒しを求めてみませんか。
愛知県瀬戸市の「本・ひとしずく」の店主、田中綾さんに、とっておきの「花の本」を2冊紹介していただきました。

■『花の辞典』

持っているだけでうれしくなる、愛らしい辞典

国内外で活躍するフラワーデザイナー新井光史さんが手がけた『花の辞典』。206種類の花を季節ごとに分けて収録し、シンプルで分かりやすい解説と写真で構成されています。花の買い方や飾り方など、さまざまなテーマで展開するコラムも充実。洋書のようなオシャレな表紙や紙質にもこだわりを感じる一冊です。

― 「辞典」と聞くと、味気ない表紙や小難しい内容をイメージするのですが、それとは一線を画す可愛い辞典ですね。

田中:まず表紙が素敵ですよね。可愛い花束の挿絵やシンプルで洗練されたデザイン、それにざらっとした紙の手触りなど、本好きにはとくにグッとくるポイントがたくさん。中に掲載されている花の写真はそれぞれの美しさや魅力がよく伝わる写真で、じっくり眺めたくなるものばかり。どのページも印象的です。

― A6判という両手におさまるサイズ感も魅力だと感じました。
田中:読みたいと思ったときにサッと手に取ることができるサイズって、いいですよね。バッグに入れて持ち運ぶこともできるので、ふと目に留まった草花や、お花屋さんの店先で見つけた花を調べたりするのも楽しいと思います。一般的な図鑑よりもコンパクトですが、内容がとっても充実しているのがこの本の良さ。花にまつわる名言や慣用句といった学びのあるコラムに、花の選び方や飾り方、アレンジの仕方といった実用的なテーマも。花が好きな人や花に興味のある人はもちろん、そうでなくても知りたくなるポイントがたくさん詰まっていると思います。
 

ちょっとした時間に数ページで、癒しの時間

― 田中さんが好きなページはありますか。

田中:好きな花のひとつ、シャクヤクのページです。この本では夏の花という章に掲載されています。開花の季節になると、キュッと硬く締まった小さなつぼみが少しずつ緩んで花開き、次第に大きな花を咲かせます。小さな小さなつぼみの中に大輪の花が身を隠している。そのことを想像すると、とても愛おしく感じます。

― 心が疲れてしまったとき、自分の好きな花のページを開いて花に癒されるという使い方もできそうですね。

田中:もちろんです。飾っておくだけでも絵になる本なので、眺めるだけで気持ちが晴れると思います。小説や物語のようにじっくり読む時間がなくても、数ページで効果てきめん。読書をする時間なんて…と忙しい日々を過ごしている方にも、おすすめしたい本です。
 

書籍情報:『花の辞典』

『花の辞典』
著:新井 光史
発行:雷鳥社

■『花束になるブーケブック HAPPY DAY』

飾って楽しめる、大人向けの仕掛け絵本

カバーを外した表紙には、花瓶の絵。中のページに留められた花のイラストパーツをくるりと回転させてページを閉じると、花瓶に挿さった美しい花束ができあがります。花パーツは、西洋の花からタイトルにもある「HAPPY DAY」に合わせて選ばれた10種類。各ページには、イギリス・ヴィクトリア朝時代の花言葉や由来が綴られています。

― とってもユニークで、おしゃれな仕掛けに驚きました。

田中:最近は文字だけではなくて、こうした仕掛けで楽しませてくれる本が増えているんです。パーツを動かすと花束になるなんて、とても素敵なアイデアですよね。読む楽しみと飾る楽しみのどちらも叶えてくれて、満足度はお値段以上。プレゼントとして選ばれるお客さんもたくさんいらっしゃいます。5月は母の日がありますし、大切な人との記念日に本を贈るというのもおすすめです。

― 贈りもの選びは日用品や食べものを思い浮かべがちですが、本という選択肢もよいですね。

田中:「HAPPY DAY」には、お祝いと喜びを象徴する花だけが掲載されています。明るくて祝福に満ちた花言葉は、本を開く読者へのメッセージのよう。ページを開くたび、気分がぐんと上がります。同じシリーズに「THINKING OF YOU」というタイトルの本もあって、こちらには励ましや思いやりを象徴する花々が掲載されています。わすれな草、ポピー、ダリア、ラベンダーなど、ブルーを基調とした大人っぽい花束ができあがりますよ。

学びにも、癒しにもなる「花の本」

― 花言葉のほかに、その花にちなんだ歴史やエピソードが紹介されています。

田中:この本は、ヴィクトリア女王が統治していたヴィクトリア朝の時代にスポットを当てて、当時の花言葉や歴史背景がまとめられています。読みものとして学びがあることも、この本の魅力です。

― 田中さんご自身は、お花を楽しむ習慣をお持ちですか?

田中:実は、いけばなを10年ほど習っていました。好きな花は、先ほどの『花の辞典』で触れたシャクヤクと、この本で紹介されているガーベラです。ガーベラは幼い頃から大好きで、自分の結婚式にも使ったほど。この本で花言葉が“幸せの種をまく”と知ったのですが、それは本屋を開いて私がしていきたいことだったので、とてもうれしくなりました。

― 本を通して知識を深めることで、外の景色が違って見えたり、花の見方も変わるかもしれませんね。

田中:そうですね。たとえば、菜の花や小手毬、アジサイ、コスモス、金木犀…。街を歩いていると出合う花って、たくさんありますよね。そういう身近な存在にも自然と目が向くようになって、季節を感じたり、気持ちが豊かになる気がしたり。それに本なら、花が咲く季節でなくても、自分の好きな花を眺められますよね。読み手の気分に寄り添ってくれるのが、本の良さでもあると思います。

書籍情報:『花束になるブーケブック HAPPY DAY』

『花束になるブーケブック HAPPY DAY』
著:モーリー・ハッチ
発行:株式会社グラフィック社

■愛知県瀬戸市にある「本・ひとしずく」の情報はこちら

本・ひとしずく
築100年以上の古民家を改装し、2021年にオープン。玄関の土間を活かした店内には、新刊書籍や古本、リトルプレス、雑貨がテーマごとに混在し、宝探しをするように本と出合える。「生活にひとしずくの潤いを」という想いのもとに営む店主・田中綾さんの本への愛情や人柄を慕って、通う常連客も多い。



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