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【Kinjo Spirit】 金城学院高等学校 河口 奈穂子 教諭

この記事は、2024年度金城学院報with Dignity vol.43に掲載された記事です。

河口かわぐち 奈穂子なおこ 教諭
金城学院高等学校
担当教科 英語
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1984年3月   金城学院大学文学部 英文学科 卒業
1985年10月~ 金城学院中学校・高等学校 非常勤講師
1995年4月~  金城学院高等学校 専任教諭
2000年4月~ 金城学院中学校 茶道部顧問
2008年4月~ 金城学院高等学校 華道部顧問

高校時代の担任から誘いを受けて母校の教員になった河口奈穂子先生。

もともと教職という選択肢はなかったはずなのに、気がついたら39年。
続けてこられた原動力は、生徒の成長をともに見守る同僚の存在。
そして、つまずいたり、悩んだりしながらも、懸命に頑張る生徒の姿。

人生のモットーは、「目立たないように、ひっそりと、平和に生きる」。生徒に伝えたら、どれも当てはまっていない!と一蹴されたと笑います。

シェイクスピアの作品研究に没頭した学生時代。

私が金城学院中学校・高等学校の教員になったのは、たまたま高校時代の英語教師で、担任でもあった恩師から非常勤講師にならないか、とのお誘いを受けたことがきっかけです。
ちょうどその頃、私は体調をくずして卒業後についた仕事を辞めていたのですが、オファーをいただいたのでありがたくお引き受けしました。もちろん、私に教員という仕事が務まるのか不安でいっぱいでしたが、幸いにも金城学院は私の母校であったこと。指導を受けた先生もたくさん在籍されていて、新米の私をあたたかく迎え、手厚いサポートもしてくださいました。

それから39年。職員室はいまも温かい雰囲気に包まれて、どの先生も優しい。生徒たちも皆、他者への思いやりの心を持っています。それが金城学院の文化であり、良き伝統だと思います。

大学時代を振り返ると、ゼミではシェイクスピアの戯曲を専門に研究している先生のもとで、もっぱら彼の戯曲と向き合っていました。シェイクスピアの戯曲にはときおり解読が困難な箇所があり、それらが描かれた時代(16世紀末〜17世紀初頭)の言語や時代背景、社会的背景を調べながら、一生懸命読み解いた記憶があります。

シェイクスピアの作品が今も人々を魅了するのは、そこに人生の縮図を感じること。喜びや悲しみ、嫉妬や欲望などの感情がリアルに描かれているところがおもしろく、没後400年以上が経った今も人気が衰えない理由だと思います。

英語という「言葉」の勉強を通して、
自分の視野、世界を広げてほしい。

英語指導では、ネイティブ教員とも連携しながら、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく習得させることを目標に授業を進めています。

本校では開学当初から英語教育に力を入れており、私の中学時代にも、当時では珍しいアメリカ人講師がいて、ネイティブの英語を直接学ぶことができました。ただ、いくら環境が整っていても、英語が苦手という生徒は必ずいます。そういう生徒たちにもできるだけ楽しく授業に参加してもらえるよう、リズムの良い授業、メリハリのある授業を心がけています。たとえば、授業が単調になりそうだったら、テキストから少し離れてみる。あるいは観点を変えて考えさせてみる。教科書に書いてあるトピックは、その作者の観点で書かれているので、あなたならどう考える?と自問させる。そのあとのディスカッションでいろんな生徒の意見を聞くことで、多様なものの見方・考え方があることを知る。iPadを活用して、テーマに沿ったことを調べさせたり、意見をまとめさせたりもします。

近年は英語の教科書にも環境問題やSDGsが扱われるようになり、単に英語のスキル向上だけでなく、英語教育を通して、生徒が持続可能な未来に向けて考える力を養っています。

高校生として今すべきことを、
できる範囲で一生懸命やろう。

教師という仕事の魅力は、生徒たちの成長を間近で見られること。とりわけ高校の3年間は身体的、精神的に大きく変化し、成長する時期。そんな時期を共に過ごし、悩んだり葛藤したりしながらも成長していく姿を見ることが、教師を続ける原動力になっているのかもしれません。

そんな生徒たちに、いま一番伝えたいことは、「したいことよりも、すべきこと」を考えることができる人になってほしいということ。したいことはいつでもできるので、高校生である自分が今すべきことは何かを自分で考え、それを実行する。

それが、社会に出た時に役に立つ力、困難を乗り越えていける力になると思います。
 

【教えて先生!My Favorite】

愛犬ジュリア(左)世界三大テノールのひとり、ホセ・カレーラス(右)

趣味は音楽鑑賞と美術鑑賞。特に音楽はオペラ歌手のホセ・カレーラスのファンで、ファンクラブにも所属。以前は長期の休みが取れるとヨーロッパまで出かけて彼のオペラやリサイタルを鑑賞。彼が来日すると、北は北海道から南は九州まで追っかけて入り待ち、出待ちをしていた時も。しかし今はエネルギー切れで、ひたすら引きこもりの日々。その引きこもりの友として昨年犬を飼い始めました。犬種はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、名前はジュリア(メスですが暴れん坊)。今は1秒でも早く帰って、ひたすら彼女を構い倒しています。

Q. 河口 奈穂子 先生ってどんな人?

親身になって相談に乗ってくれる優しい先生

実が私は英語がすごく苦手でした。でも、河口先生から「毎日続けることが大事。少しずつでいいからやってみよう」と言われ、毎日少しずつやっていたら、苦手意識がなくなりました。河口先生は1年の時からずっと担任ですが、いつでも相談に乗ってくださり、広い視野でものごとを捉えアドバイスをくださるので、前向きな気持ちになります。

河口先生には、感謝の言葉しかありません

河口先生は、ふだんはとてもお茶目で楽しい先生。でも授業になるとキリッとして教壇に立つ。そのメリハリがかっこいいなって思います。私は2年間、級長を務めていますが、いつも励まし、褒めてくれます。褒めてくださると嬉しくなって、もっと頑張ろうという気持ちになる。褒め上手なんです、河口先生は(笑)。


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