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異なる価値観の出合いから生まれる気付き。女性の生き方や幸せとは?

仕事に打ち込み没頭する、家族に囲まれておだやかな時間を過ごす、人生にはさまざまな幸せの形があり、何を幸せと感じるかも人それぞれです。

どのような生き方であれ自分が目指す道を自分で選択できる環境は、誰にでも用意されて欲しいもの。しかし、世界には慣習や宗教などにより、日常の行動や進学、結婚などの自由を制限されている女性たちがいます。笑ったり泣いたりしながらも楽しめるインド映画で、女性の生き方や幸せを考えてみませんか。


■『花嫁はどこへ?』

花嫁の取り違えがもたらす感動の物語

© Aamir Khan Films LLP 2024

2001年、とあるインドの村。結婚式を終えた2人の花嫁、プールとジャヤは同じ満員列車に乗って花婿の家に向かっていた。だが、たまたま同じ赤いベールで顔が隠れていたことから、プールの夫ディーパクがかん違いしてジャヤを連れ帰ってしまう―。
花嫁の取り違えというコミカルな展開から始まる、映画『花嫁はどこへ?』。育ちや性格の異なる2人の女性が予想外の旅で周りを巻き込みながら、幸せや人生について見つめ直す姿を描いた感動作。豊かな自然や、色鮮やかなサリーやジュエリー、スパイスが漂ってくるような料理など、インドの魅力も満載です。

映画を上映するミッドランドスクエアシネマを運営する、中日本興業の森さんに見どころを伺いました。
 
― 物語の舞台は2001年。20年ほど前のインドの婚礼を垣間見ることができますね。

森:地域によっても違うかもしれませんが、この映画の中では花嫁を家族全員で送り出して、顔をベールで覆った花嫁を新郎が家に連れていく。花嫁がお金や品物を持参する習わしも出てきます。現代のインドではどうなのか気になりますね。興味を持った方は調べてみてはどうでしょうか。インドの風習や文化にふれるきっかけになりそうです。
  

想定外の状況で新たな価値観や可能性を見出す

© Aamir Khan Films LLP 2024

― 入れ替わってしまう二人の花嫁のキャラクターは、かなり異なる印象です。

森:そうですね、間違ってディーパクの家にやってくるジャヤは、大学に進学して家業の農業に役立つ学びを深めたかったという思いを抱えている女性。家が貧しくて、「長女のあなたは早くお嫁に行って」と言われてしまったようです。一方、駅に取り残されてしまうプールは、古風な家庭で育ち、花嫁になる未来を思い描きながら料理や裁縫などを大切に身につけてきた女性です。
 
― その二人が想定外の状況に置かれることで、本人や周りに変化をもたらすわけですね。

森:プールは駅で屋台を切り盛りする女性と出会って、思いもよらなかった自分の可能性を見出します。ジャヤは自分が望む道を見つめ直したり、ディーパクの家族に与えた影響も大きいですね。
 
― たとえば、どんな影響でしょうか?

森:家族の中で、妻として嫁としてのふるまいや考え方などにとらわれてきた女性が、ジャヤと接することで新しい価値観に目覚めたりもします。ジャヤのアドバイスや後押しが、いい変化をもたらすんですよね。詳しくは、ぜひ映画の中で楽しんでください。
  

登場人物の気持ちに沿った音楽で作品を盛り上げる

© Aamir Khan Films LLP 2024

― 作品の中で印象に残ったシーンなどはありますか?

森:屋台の女性がプールに言う“女性は仕事もできるし、子どもを産むこともできる、でも、それを男性に言ったらかわいそうでしょ”というセリフがあって、男性の私にはとても印象に残りました。
 
― “女性にはいろいろな可能性や能力がある。でも、それをあえて男性に主張せずにいてあげているのよ”という余裕?もしくは、プールに対して“女性として自信を持って”という励ましでしょうか?

森:両方の意味があると思います。いずれにせよ、苦境にもめげず力強く生きてきた女性ならではの味わい深いセリフだと感じたので、その場面にも注目してみてください。
 
― インド映画ではおなじみの踊りや歌のシーンも出てきますか?

森:ストーリーと関係なく唐突に歌や踊りが始まるといった展開はないので、そういうインド映画を期待されているとちょっと違うかもしれません。登場人物の心情に沿った曲や歌が使われていますので、その想いに寄り添いながらじっくり楽しんでみてください。観終わった後は、とても爽快な気持ちになりますよ。
 

『花嫁はどこへ?』はミッドランドスクエア シネマほかにて、10月4日から上映予定。

『花嫁はどこへ?』予告編はこちら

 ミッドランドスクエア シネマ 劇場情報

名古屋駅前に14スクリーン、全席ソフトレザー張りの2,205席を備える都市型シネマコンプレックス。メジャー作品はもちろん、アートレーベルやアニメレーベルも設けて、コアなファン向けの作品もカバーする。