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看護学と女性のみらい

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人と人との、オンラインではないオフラインの、リアルな「つながり」ということを足がかりに、改めて看護という営みについて考えてみるマガジンです。
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記事一覧

#4 〝「物語」を紡ぐ支援をする看護実践を目指して″

前回の記事 看護理論家の一人であるジョイス・トラベルビー(1926-1973)は、 看護の目的を、病気や困難な体験の予防であるとすると共に、「それらの体験のなかに意味をみつけだすように」援助することであると述べています(トラベルビー 1974)。 意味への援助、とはいったいどういうことでしょう。  医療は科学的根拠に基づいて提供されており、これをEvidence Based Medicineと言います。 たとえば、病を得て病状説明の席につくと、その機序が生理学的に、デ

#3 〝看護実践はAIに支配されるのか?″

前回の記事 人工知能(以下、「AI」とする)が人間の領域を凌駕する日がやってくるのではないか、人間がAIに支配される世界が来るのではないか、と、不安を煽るような議論が聞こえてきます。 ここで、「人間の領域」を「看護」に置き換えてみるとどうでしょう。 AIが看護の領域を凌駕し、看護実践がAIに支配される日が来るのでしょうか。 このことを考えるきっかけとして、2023年冬に、看護学部の学生たちと共にとある高齢者施設に実習に行ってきた時の一場面をご紹介しましょう。 ある女性

#2 “「寄り添う」について考える」リモートとダイレクト”

前回の記事 丸山 薫 「白い自由画」 突然ですが、私の好きな詩人の一人である丸山 薫(1899〜1974)の作品の中に、「白い自由画」という詩があります。 これは、山間にある小学校の教員が、とある冬の日に子どもたちに「春」という題で自由画を描かせる一コマを描いた作品です。 雪国にあるその学校の教室の窓の外には、墨絵のような雪景色が広がっていて、子どもたちは「春」をどう描いたらよいのかわからず途方にくれます。 そこで先生は、せめて空に色をさしてあげようとして、「誤って

#1 “「リモート」での相互交流の登場と浸透”

2023年5月8日をもってCOVID-19の感染症法上の分類が2類から5類に引き下げられ、2020年初頭以来わたしたちの生活に大きな影響を及ぼしてきた「コロナ禍」が、一つの転機をむかえました。 この約3年に及んだ、いわば「特異」な時間の中で、わたしたちは様々なことに気づかされ、考えさせられました。ここでは、人と人との、オンラインではないオフラインの、リアルな「つながり」ということを足がかりに、改めて看護という営みについて考えてみたいと思います。 そのためにまず第1回目では